第2回鮎川哲也賞受賞作・石川真介「不連続線」を久々に読む

1991年度の第2回鮎川哲也賞受賞作。
2002年に女と愛とミステリー枠でテレビドラマ化。
主演は東ちづる。宅麻伸、板東英二、石橋蓮司、水野久美などが出演。

不連続線 (光文社文庫)
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あらすじ

事故で夫を亡くした後、義母・静枝も何者かに殺害された紀子。
義母はカバン詰めの死体となって発見されるという衝撃的な事件だった。

事件から三カ月が経った頃、紀子は静枝の死の直前の行動を調べ始める。
静枝が旅行中に訪れた浜松の眼科医院、福井県秋葉村役場からのハガキ、
一見無関係に見える静枝の行動を調べていくうちに一つの道が見えてくる。

愛知県警捜査一課の上島警部も協力する中、
過去の事件とそれにまつわる容疑者が浮かび上がる。

しかし、静枝の死体を放置したとみられる
容疑者には鉄壁のアリバイがあった。

紀子はアリバイを崩すため調査を継続するが――という話。


感想

昔読んだ時より今読んだ方が面白い。
こういうトリックの作り方もありだなあと。

コロンブスの卵っちゃ卵ですわな。
そのあたりは面白いのだが、紀子のキャラはどうかいなと。
半分過ぎて事件を調べる動機を書くのなら前半でまとめておいた方が。

紀子の事件に対するテンションが一度下がるのもどうかと。
このあたりはいろいろと自分が書く時に参考になる。

なおかつ犯人は逮捕されても真犯人には手が及んでいない。
さらにもう一つの殺人に関しては警部に下駄を預けた格好。

ん-、そのあたりは不要と思われる箇所を刈り込んで
きっちり入れた方がもっと読後感がグッと上がると思うんだよねえ。

最後の義母のところと上島警部の手紙は「おっ」と感じたけど。
紀子と上島警部のコンビ感をもっと出した方がよかったのでは。

アリバイトリックの面白さと人間の面白さ。
両方併せ持ってミステリを盛り上げていくのは難しいけど
このあたり島田荘司さんはやっぱり上手いなあと読みながら思った。

ドラマは観てないからわからないけど
あらすじ読む限りでは別もんという感じかなあ。
機会があれば比べてみたい。

追記

昨年12月に全面改訂版が発売されている。

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過去の作品を全面改訂するのは、
かつては鮎川哲也さんなど有名だったが最近では珍しいかも。

紀子のキャラクターを始め、全体的にスムーズというか洗練されている。
何よりかにより一つ謎を越えたと思ったら、次の高い壁が待ち受けているという
本格ミステリならではのグイグイ感が堪らない。

ハードボイルドや冒険小説のグイグイとはまた違った魅力なのよね。
こういうグイグイ感が特に本格ミステリの場合は醍醐味なのだが、
読むぶんにゃいいが、いざ自分が書こうとすると難しいんだな、これが。

しかし、まさか自分と同姓同名の方がああいう形で出てこようとは。
ものづくりの奥深さをあらためて知らされた次第。
前のバージョンと読み比べて勉強するべ。
しかし、もとの本はどこのダンボールに入れたっけなあ・・・
お願いだから地震こないでね。

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