柚月裕子「孤狼の血」を読む

2015年出版の警察小説。
2018年に東映で映画化。
役所広司、松坂桃李、江口洋介、真木よう子などが出演。

あらすじ

舞台は昭和63年広島県呉原市。
所轄の呉原東署に赴任してきた日岡秀一巡査。

日岡はやくざとの癒着を疑われている敏腕刑事、
捜査二課主任の大上章吾巡査部長とコンビを組むことに。

手練手管を駆使して強引に突っ走る大上に戸惑いながら
日岡は極道の世界を理解し、また刑事として成長していく。

暴力団同士の勢力争いがきな臭くなる中、
金融会社社員失踪をきっかけに抗争へと発展。

日岡は大上とともに渦中に巻き込まれていくことになるが――という話。


感想

これは面白い。
「おっ」とか「やられた」というとこまでは特にないんだけど。
ああ、そういう風にくるのかとかやっぱりなあと思ったりするが
とにかく魅力的で読ませてくれる小説。

何でそう思えるかというと刑事という仕事への誇り、
正義とは何ぞや、男とはどうあるべきか――ということが描かれているからかなと。

正確にというか「こうあってほしい」というポイントを外していないというか。

ラストの日岡の姿ってのは「仁義なき戦い」の菅原文太演じる広能を彷彿とさせるし、
大上は同じく菅原文太が演じた「県警対組織暴力」の久能徳松を連想させる。

どっちも能が入るのはありゃ偶然かね。

タイトルの「孤狼の血」ってのも最後まで読むとよくわかる。
そのあたりもね、仕事ってのはこうやって受け継がれるもんだよねえって感じで。

いいことも悪いことも脈々と受け継がれてますからな、世の中ってのは。
いいことだけ受け継いでほしいものだが、悪い方が受け継ぎやすいんだよなあ。

映画はまだ観てないから盆までには見比べてみたい。
あと続編もあるらしいので、そちらの方も読んでみたい。
いいものを読むと妬けるし、ぼやぼやしてたらアカンなあと思う。
刺激になる一冊。

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