アガサ・クリスティ原作映画「ナイル殺人事件」を久々に観る

1978年のアメリカ・イギリス合作映画。
当時の金で1700万ドルをかけた豪華作品。
原作はミステリーの女王アガサ・クリスティ「ナイルに死す」。

あらすじと感想

監督は「タワーリング・インフェルノ」ジョン・ギラーミン。
脚本は「暗くなるまで待って」「探偵スルース」の劇作家、アンソニー・シェファー。
音楽は「太陽がいっぱい」「ロミオとジュリエット」ニーノ・ロータ。
主演はポアロを映画で演じる4人目の男、ピーター・ユスチノフ。結構はまり役。
出演は「ジョンとメリー」ミア・ファロー、
「ロミオとジュリエット」オリビア・ハッセー、
またおんのかジョージ・ケネディ、顔が怖いぞベティ・デイビスなどなど。

物語は世界第一の長流ナイル川をカイロから乗る豪華遊覧船「カルナーク号」で
起きた連続殺人事件を中心に、登場人物の複雑な人間関係を描き出していく。

ハネムーンに来ていて悲運に見舞われる莫大な遺産を受け継いだ若い娘。
新郎は新婦の女友達だった若い青年。
カルナーク号に乗り合わせた船客は、当の女友達をはじめ
被害者に敵意や遺恨を持っていたものばかり。
それぞれに動機があり、アリバイもある。
偶然乗り合わせエジプト旅行を楽しんでいた名探偵ポアロが
事件の究明に乗り出したが、彼をあざ笑うかのように第2・第3の殺人が起きる――という話。

ポアロものの原作の中でも人気の高い作品。
個人的にはこれと「白昼の悪魔」が好き。
ドラマ的にも結構成功している映画だと思う。
因縁のありそうな人物を紹介しておいて、さあエジプトでっせ、何か起こりますよと言わんばかり。
そりゃ観てて面白いはずである。

女の執念でとことん押していくところもいい。
なんせ最初から最後までそれだ。女の執念は恐ろしい。
それもトリックの一つであるところが、またまた面白い。

オリエント急行殺人事件」は最初から最後まで暗めだけど
この映画の場合は割と会話を楽しめる、セリフの面白さがある。
そこらへんは劇作家でもあったアンソニー・シェファーの功績があるのでは。
原作同様、時代設定を1930年代にしたことも成功の要因。
松本清張原作をすぐ現代の設定にしたがるアホなプロデューサーは勉強しろ。
終盤のどんでん返しは映像ならではの面白さ。
犯行のからくりを再現して見せるのはまさに映像ならではなのだが
意外とこの点に気付かない、もしくは使わない人は多い。
最初観たとき騙されたし、ものすごく面白かった一本。

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