伝説の東映アクション映画「狂った野獣」を久々に観る

1976年の東映映画。
監督は中島貞夫、主演は渡瀬恒彦。

あらすじ

京都駅行きのバスが突然2人組の男に乗っ取られた。
この男たち(川谷拓三、片桐竜次)は
銀行強盗に失敗してバスで逃亡しようとしたのだ。

2人の手には拳銃と刃物。まさに「○○○○に刃物」状態。

たまらんのは乗客たち。
動物病院へ急ぐおばはん、
やっと掴んだオーディションに向かう女優の卵、
塾に行こうとした小学生、
なんで乗ってんのか現場へ向かうチンドン屋……

その中でも何でおんねん状態なのは
後部座席を独占しているトレンチコート男。

そう、これが十津川警部じゃない渡瀬恒彦。

彼はテスト・ドライバーだったのだが眼の病気が原因で失業。
前日の夜1億近くもする宝石を強奪し、逃亡中だったのだ。

バイオレンス十津川。

しばらくはピリピリとしたにらみ合いが続くが
それ以上にパニクっていたのが運転手。

なんせ心臓が悪いのを隠しているため
緊張状態が続くと心臓発作間違いなし。

かくしてこの危険極まりないバスを止めるべく
バス会社と警察は厳戒態勢を敷く。

このままだと自分も大迷惑なので
バイオレンス十津川は隙を見て脱出。

これで一安心。

と思いきや、肝心の宝石を隠した
ギターケースをバスに残しちゃった。

なんでやねん、という話なのだがこうなりゃ戻るしかない。

お世辞にもバイクの運転が上手とは
思えない一緒に逃亡予定の女の力を借りて
バイオレンス十津川は再びバスの中へ。

ところが乗客たちに宝石の存在を知られてしまう。

さらに間の悪いことにとうとう運転手、心臓がボーン。

バイオレンス十津川がハンドルを握るが
視界がかすみまくりバスの暴走はさらなる事態を巻き起こしていく――という話。


感想

低予算だがエネルギッシュで面白い快作として名高い映画の1つ。

なんたって当時で予算2千万。安い。
それでもこんだけできると教えてくれる。

バスジャックの映画といえば
1994年の「スピード」が有名だが
スピードが10台以上のバスを
撮影で使用しているのに対してこちらはなんと1台。

しかもポンコツ(笑)

ボンボンぶつけまくるから補強費の方が高くついたとか。

有名なのは最後バスがひっくり返るのは
スタントなしで渡瀬恒彦がやってるということ。

主役がスタントなしなら
当然ピラニア軍団の面々は降りられない。

チンドン屋の志賀勝はどっか行っちゃったらしいけど。

陸橋から落っこったりしながら
ゾンビのごとくバスを追いかける警官役の室田日出男がこれまたエグい。

川谷拓三が歌う「南国土佐を後にして」のもの悲しいこと。

ヘリに吊られる内村刑事部長も身体を張ってる。

しかし、一番の見所は被害者と思われた乗客たちの姿。
なんたって最終的に一番得をしたのはこの連中。

欲深く最後に宝石持って帰りやがる。
人間立場変わればそんなものなのよ。

いいこと言ってる奴らが裏に回れば弱者を食い物にする。
「人を尊重した医療を」なんてのたまう医者のまあ対応の悪いこと悪いこと。

話がそれたが、まあそんな世の中でもしぶとく生きていかなあかんわけで。

そんな明日の活力?になる一本。

記事作成・ライティングに関するお問い合わせ・ご相談

コピーライター育成オンラインアカデミー

最近の投稿

テーマ別

ページトップに戻る