1975年公開の東映映画。
監督は「トラック野郎」の鈴木則文。
タイトルは「華麗なる追跡」だが華麗さはカケラもない。
追跡どころか「復讐のメロディ」が鳴り響く。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
あらすじ
鈴鹿サーキットで男達を蹴散らし見事優勝を遂げた矢代忍(志穂美悦子)には別の顔があった。
それは6年前濡れ衣を着せられて殺された父親の仇を討つことだった。
得意の変装を駆使して真相に近づくビジンダーじゃなかった忍だったが――という話。
感想
東映ドラマツルギ―全開なお話。
要するに細かいつじつまはどうでもよく娯楽全開。
つっこみどころ満載なのだがそれを楽しめるかどうか。
悪徳政治家の猪俣(天津敏)がなぜか熊のぬいぐるみを着て女を犯す(わけわからん)。
華麗なる追跡ったって悪党追いかける場所は採石場とか茶畑しか見えんロープウェイでのアクション。
採石場では意味のない爆破しまくりなぜかストップモーション(意味あるか?)。
とまあ珍品・カルト映画の部類に入るのではと思うのだがやはり活躍するのは由利徹さん。
15年間デビューできなかったレスリング選手の過去を持つマムシ屋のおやじ役である。
(リングネームはマッハ文吉)
しかもご丁寧にレスリングパンツ履いてる写真まである。
これが最高に笑える。
で、マムシ飲んで母ちゃんとヤッてできた子どもがマッハ文朱(何でもありだ)。
マッハ文朱演歌歌うわ暴れるわそこそこ頑張る。
そういや昔この人がNHK-FMだか何だかでDJしてたラジオ聴いてたな。
それから忍の友達役の田中久子(地味な名前)。
ちーとも知らんけどなんか綺麗。そしてエロい。
東映の女優らしいといえばらしい人。
猪俣の屋敷で薬漬けにされ忍を裏切る悪い女。
そして、ちょっとだけ改心して主人公助けて殺される。
ま、こういうドラマにはこういう役柄大切ですわ。
主人公に味方する人間が無残に殺されるのもこのテの映画の特徴。
しかもなぜかだいたいみなしご兄妹。兄貴はボロボロにぶち殺され妹は犯され鎧兜に閉じ込められる。
忍が助け出すのだがなぜだかフェンシングの剣で
兜をかち割っていく(もうちょっとマシな助け方はできんのか)
裸で放心状態の妹を助けて逃げようとしたら銛が飛んできて哀れ妹即死。
極悪猪俣。さすがヒトラーの写真を額に飾ってることだけのことはある。
誰やこんな政治家に票を入れた奴は。
ま、とにかくアンタは多羅尾伴内かと言いたくなる志穂美悦子の七変化が楽しめる作品。
特に「二代目はクリスチャン」より遥か前になってるシスターが似合う。
この頃まだ10代だったのね。
この際ビジンダーに変身なんてシーンも入れときゃよかったのに。
さすがにそれは無理か。