実話ギャング映画「デリンジャー」を観る

1973年のアメリカ映画。

あらすじと感想

大恐慌時代のアメリカで銀行強盗を繰り返し
できたてホヤホヤのFBIから「社会の敵ナンバーワン」と
目の敵にされた実在の人物ジョン・デリンジャー。

その人生を描いた映画が「デリンジャー」。

決してキャッツ・アイの主題歌のことではない。

俺たちに明日はない」から始まるアメリカン・ニューシネマでは
こういった実在のギャングたちの生涯を描いた作品が多かった。

監督・脚本はこれがデビュー作の黒澤大好きジョン・ミリアス。
今となっては「ダーティー・ハリー」を書いた脚本家として名高い。

主人公デリンジャーを演じたのはウォーレン・オーツ。

サム・ペキンパー「ワイルドバンチ」を始め
男臭さを演じさせたら当代1,2を争うお方であった。

そのデリンジャーを追いかけまわすFBI捜査官パーヴィスを
演じているのが西部劇でまくり俳優、ベン・ジョンソン。

決して100m走の選手ではない。ドーピングもしていない。

正直、ギャング側の俳優に負けず劣らず悪人顔である。
やってることも犯罪者側と紙一重だ。
例えるならマル暴の刑事がヤクザと変わらんようなものか。

デリンジャーの仲間、ネルソンを演じているのは
若き日のリチャード・ドレイファス。
同年の「アメリカン・グラフィティ」の内気な青年とは対照的に
ハイテンションに銃を撃ちまくるギャングを演じている。

後半、アジトを急襲され阿鼻叫喚のなか繰り広げられる
デリンジャー一家とFBIの壮絶な大銃撃戦は迫力満点。
最終的にはガールフレンドの一人、アンナに裏切られ
待ち伏せをくらい射殺されるデリンジャー。

このアンナ、ルーマニア人で売春宿を経営していて
祖国に強制送還されるのを恐れ密告しやがったのだ。

やはり女は信用するものではない。

目印に赤いドレスを着ていたのでこの出来事から
赤いドレスの女は自分を破滅に導く運命の女を表す用語として
使用されているとのことだ。

デリンジャーの死亡後、クレジットが流れる。

裏切った女、アンナは結局ルーマニアに強制送還され
二度とアメリカの地を踏むことはなかった。哀れだ。

パーヴィスは事件の後、別な職につきデリンジャーを撃った拳銃で自殺。

燃え尽き症候群か。

単なるアクション映画ではなく滅びの美学というか
時代の移り変わりの中で淘汰されるものへの郷愁というか
繰り返し観ることで味が出てくるスルメ映画かなと。

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