青春映画の傑作と言われる作品は数々あれど
「アメ・グラ以前、以後」という言葉ができたぐらい
後世に多大な影響を与えた作品がジョージ・ルーカスの
出世作である1973年製作の「アメリカン・グラフィティ」です。
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あらすじと感想
舞台は60年代初頭、アメリカの地方都市。
明日の朝、都会の大学に旅立つ2人を軸に
ケンカ、酒、路上でのカーレース、恋人との別れなど
青春の一夜の様子がオールディーズをバックに描かれます。
ジョージ・ルーカスが自分の若き日の体験と重ね合わせて
描いたこの作品。本人のインタビューによるとエピソードの
1つ1つは誇張しているけれど、自分が過ごした空間の雰囲気は
よく出ていると語っておりました。
若き日のリチャード・ドレイファス、監督として名を上げることになる
ロン・ハワード、無名時代のハリソン・フォードの姿が時代を感じさせます。
いろんな青春映画のエッセンスが凝縮されているような映画で、
例えば白いサンダーバードに乗っている女性を運転している窓から
チラと見ただけであこがれてしまうというような描写の1つ1つが
同じ男としては青春時代の女性に対する思いがうまく表現されてるな~と
感心してしまいます。
そしてそれらのエピソードが田舎から都会の大学に旅立つ最後の
夜という設定が何よりも素晴らしいです。こういう脚本は書けそうで
なかなか書けない。夜明け前のカーレースで勝利した後に流れる
プラターズの「オンリー・ユー」の感動的なこと!
そして旅立つ2人を見送るラストでは飛行機の音に合わせて
4人のその後の運命が流れますが、これがまた「ベトナムで行方不明」とか
交通事故死とか一気に現実に引き戻されるような何とも言えない
味わい深いラストシーンです。その後、続編が製作されますが
これはもう観ない方がいいです。台無しですから。
最後に公開当時のキャッチフレーズを。
「1962年の夏、あなたはどこにいましたか」素晴らしい!