1958年公開の松竹映画。
原作は松本清張の同名短編。
監督は野村芳太郎、脚本は橋本忍。
出演は大木実、宮口精二、高峰秀子、田村高廣、高千穂ひづるなど。
映画はこれ一本だが、テレビは何回やったら気が済むねんというぐらいドラマ化されている。
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あらすじ
横浜から鹿児島行きの夜行列車「さつま」が走る。
三密状態なんのその、窓は開いてるから大丈夫だろ。
その中にいる二人の刑事、柚木(大木実)と下岡(宮口精二)。
彼らは東京で強盗殺人を起こした石井(田村高廣)が、
今は平凡な人妻となっている昔の恋人・さだ子(高峰秀子)のもとに身を寄せるに違いない。
そう踏んでわざわざ佐賀くんだりまでやってきた二人は、
さだ子の家の前にある宿に泊まり、ひたすら張込みを続ける。
夏の陽が照り付ける中、果たして石井は現れるのか――という話。
感想
冒頭の長尺アバンタイトルが有名。10分超えるもんねえ。
昔観た時はなんでこんな張込みしてるだけの映画が名作って言われてんのよと思ったもんだが、
あらためて観てみるとやっぱりいい作品だなあと感じるんだなこれが(笑)
気難しい銀行員の後妻になったさだ子の哀愁とか、
だんだん惚れていく若い刑事の大木実とか、冷静な宮口精二とか。
原作は確か一人で張込みしてたような。
ま、普通二人でするもんだしそこの設定変更が大正解だよね。
平凡な人間がちょっとした歯車の狂いで人生をおかしくする。
時代がどんなに変わってもそこの普遍さは変わらんもんなのよ。
コロナで大騒ぎだけど聞いた話では地方都市なんか
感染者を出した家が張り紙とか嫌がらせされまくって引っ越したケースがあるとか。
まあ助け合いじゃなんじゃ言ったって所詮こんなもん。
人間調子のいい時は誰でも元気なわけだが、
悪い時にどういう態度を取れるかが大事なのよ。
こういう時こそ助け合わんでどうするという話なのだが、
この映画の時代に比べりゃはるかに便利になったけど人間の本質はあまり変化ないのかも。
いくら情報化社会が進んでも、情報の理解・分析力がなきゃどうにもならんねえ。
閑話休題。
テレビドラマは山ほどあるけど、まとめて観れるようになればねえ。
さだ子がメインの作品ってあるのかな。機会があれば全部観たい。