深作欣二40・東映映画「やくざの墓場 くちなしの花」を久々に観る

1976年公開の東映映画。
主演は渡哲也、梶芽衣子。
昭和51年度文化庁芸術祭参加作品との
クレジットがあるが、取り下げたらしい(笑)

あらすじ

捜査四課の刑事・黒岩(渡哲也)。
二年ぶりに配属された地域では、
地元の西田組と大組織・山城組との抗争真っ最中。

暴力的に取り締まる黒岩だが、府警上層部に睨まれる。
黒岩は捜査を進めるうちに山城組の背後に
元副部長の寺光(佐藤慶)が社長を務める金融業の
存在があることを突き止める。

西田組に肩入れする黒岩は、
幹部の岩田(梅宮辰夫)と大乱闘の末に
兄弟盃まで交わすが謹慎処分を食らう。

黒岩は夫が服役している啓子(梶芽衣子)と結ばれ、
ますます西田組の肩を持つも、寺光と結びついている
府警上層部は西田組を解散させるべく動き回る。

ターゲットにされた岩田は、警察署内で謀殺される。
怒りに燃えた黒岩は警察本部に乗り込むのだが――という話。

感想

大島渚が府警本部長を演じているという貴重な作品。
副本部長は成田三樹夫、地元所長が金子信雄。
なんという素晴らしいキャスティング(笑)

一匹狼の黒岩が警察上層部の腐敗を暴いていくわけだが、
そりゃ芸術祭参加はできんでしょうなあ(笑)

いちゃもん付けられまくりですわな。
パトカーの文字が山王警察というのがまたなんとも。

元府警の金融業者がやくざと繋がってるわ、
警察上層部と結びついているから謀略で殺すわ、
よく考えれば無茶苦茶というか凄い話。

おまけにシナリオでは在日朝鮮人問題まで。
ま、これは映画ではそれほど出てこないんだけど。

鳥取砂丘での渡哲也と梶芽衣子のラブシーンが印象的。
えらい状況でやっとるなあという感じ(笑)
あれ、本人たちなんかね。

ラストに波打ち際のシーンが再び流れ、
「くちなしの花」の音楽が重なっていく。

それはまあいいんだけど、
黒岩の最後のポーズはVサインなのかなあ。
あそこがちょいとわかりづらい。

殴り合いの後、兄弟盃して岩田が女に
「カモーン!」というシーンは最高だけど。

よくよく考えれば刑事なのに、
なんで「やくざの墓場」なんだろうという気もする(笑)
黒岩って「大都会」シリーズでも黒岩だよなあ。
嫌いじゃないけど何となく消化不良でもある作品。

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