ドラマ原作・和久峻三「蝮のようなレディ」を読む

1987年出版の本格ミステリ。もともとは「野生時代」に連載されたもの。1989年にTBSでテレビドラマ化。出演は范文雀、鳥越マリ、金田賢一、高瀬春奈など。あらすじ脱税容疑などで捜査中だった産婦人科院長が病院に作ったヌード撮影用のスタジオで死体となって発見された。スタジオは内側から掛け金がかかった状態の完全な密室。遺書らしきものも発見され、自殺と他殺両方の面で捜査が開始された。まず、直前にまでいたと
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時代小説・城昌幸「菖蒲狂い 若さま侍捕物手帖ミステリ傑作選」を読む

2020年初版の創元推理文庫。五代捕物帳と呼ばれるうちの一つである若さま侍捕物手帖から25編を収録した傑作選。あらすじと感想柳橋の船宿・喜仙に居候している一人の侍。姓名も身分も不詳だが「若さま」と呼ばれる彼は、日がな一日喜仙の一人娘・おいとに酌をさせている生活。しかし、御用聞きの遠州屋小吉や南町奉行所与力の佐々島俊蔵から難事件の話を聞くや、時にはその場で時には出向いて解決してしまうのだった――とい
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司馬遼太郎「戦国の女たち」を読む

2006年出版の司馬遼太郎傑作短編集。「女は遊べ物語」「北ノ政所」「侍大将の剛毛」「胡桃に酒」「一夜官女」「駿河御前」の6編を収録。あらすじと感想「女は遊べ物語」は織田信長麾下の伊藤七蔵の妻・小梅、「北ノ政所」は説明するまでもなく秀吉の妻・寧々、「侍大将の剛毛」は藤堂高虎の家来、孫六の妻・由紀、「胡桃に酒」はこれまた説明必要のない細川ガラシャ、「一夜官女」は一転して姫路城下で有名な医家の長子の嫁・
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斎藤栄「奥の細道殺人事件」を読む

1970年初出の旅情本格ミステリ。あらすじ相模湖畔で発見された男の他殺死体。被害者は公害問題に揺れる大企業の工場長だった。捜査の結果、公害で妻子を失った大学講師が容疑者として浮上。だが、彼は芭蕉忍者説の解明のため、東北に旅行中だった。鉄壁のアリバイを持つ大学講師だが、なぜだか突然自殺。講師の遺書と研究ノートに疑いを持った刑事たちは再捜査を始める。事件の真相はどこにあるのか? そして真犯人の存在は―
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ドラマ原作・森村誠一「致死海流」を読む

1978年初刊の長編ミステリ。『人間の証明』『野性の証明』などヒット作連打の頃の作品。2008年に終着駅の牛尾シリーズの一つとして土曜ワイド劇場でテレビドラマ化。あらすじ違う場所で殺された二人の若い女性。捜査陣は二人の関連を調べ、八丈島航路の船に乗車していたことと和歌山の那智勝浦のユースホステルに宿泊していた共通点を見つける。粘り強く捜査を続けた結果、ある一人の男が浮かび上がる。しかし、その男も密
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ドラマ原作・黒川博行「二度のお別れ」を読む

1983年の第1回サントリーミステリー大賞佳作受賞作。1985年に連ドラ化、2005年に単発ドラマ化されている。あらすじ大手銀行の新大阪支店で強盗事件が発生。現金400万が奪われ、撃たれた鉄工所経営者・柿沼が連れ去られた。その後、犯人は人質の身代金として1億円を要求。柿沼の小指が送られてきて、捜査本部が騒然とする中、黒田刑事とマメちゃんこと亀田刑事は犯人逮捕に知恵を絞る。巧妙に金の受け取りを企む犯
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ドラマ原作・飛鳥高「細い赤い糸」を久々に読む

1961年に発表され、翌年第15回日本探偵作家クラブ賞を受賞した名作。1962年に2回、1989年、2004年にテレビドラマ化された。あらすじ汚職摘発の火の粉が自分に降りかかるのを防ごうと、アリバイ工作までして水道公団の係長を殺害しようとした男が殺された。また、映画館にツレと一緒に強盗に入り、分け前のことで揉めた男が殺された。そして、恋人が上司の娘と結婚話が進んでいることを知り、探偵に頼んだあげく
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松本清張「不安な演奏」を久々に読む

1962年初版の長編ミステリ。もともとは前年「週刊文春」に連載されたもの。絶頂期に書かれた中の一作だが、なぜか映像化はなし。あらすじ雑誌記者・宮脇はラブホテルの盗聴テープを聴いたところ、エロ話どころか殺人計画らしき話が入っていることに興味を持つ。会話の通りの殺人が起きて事件を追いかける宮脇。そこに好奇心を起こした映画監督・久間が加わり、さらに葉山という人物が協力を申し出てくるが、事件は舞台を変えな
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日本推理作家協会賞受賞作・土屋隆夫「影の告発」を久々に読む

1963年刊行の第16回日本推理作家協会賞受賞作。1980年に土曜ワイド劇場でテレビドラマ化。主演は江守徹、丘みつ子、黒沢年男、小池朝雄などが出演。観たい。あらすじ東京地検の検事・千草泰輔は義理のある先輩検事の長男が出展している書道展を渋々見にデパートへ行った。ところが、そこで殺人事件に遭遇。被害者は光陽学園校長・城崎。理事も兼務し、やり手と評判。その城崎が最期に遺したのは「あの女が・・・いた・・
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朝日岳之助シリーズ6・姉小路祐「走る密室」を読む

1994年初刊の法廷ミステリ。朝日岳之助シリーズの第6弾にあたる。1995年に火曜サスペンス劇場でテレビドラマ化。タイトルは「顔の見えない殺人者」でテレビドラマシリーズも第6弾だった。あらすじマンションの一室で若妻が絞殺死体で発見された。被害者はタクシー運転手・速水の妻・咲子。容疑者は少年3人で、その一人は速水が捕まえてきた。少年の母親から弁護の依頼を受けた朝日。朝日はリーダー格の少年・川之江に見
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