志水辰夫デビュー作「飢えて狼」を久々に読む

1981年8月、講談社より刊行された著者のデビュー作。あらすじ主人公の渋谷は三浦半島で小さなボート屋を経営。かつては日本有数の登山家として知られた男だ。しかし、海上で不審な船に体当たりをかまされ殺されかかる。それだけでなく従業員を殺され店は丸焼きに。謎めいた男達の南米パタゴニアへの学術探検参加を断った直後の出来事だった。真相を追究する渋谷は依頼人の一人樋口から事件の背後には国際的な陰謀があることを
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原尞のデビュー作「そして夜は甦る」を久々に読む

1988年4月、早川書房から出版。原尞の記念すべきデビュー作。この時42歳。あらすじと感想レイモンド・チャンドラーの影響が色濃い和製ハードボイルドである。ある日、「渡辺探偵事務所」で働く沢崎の元に謎の依頼者が現れる。海部と名乗るその男は佐伯というルポライターがここに来たかどうかを尋ねる。そのことがきっかけで、沢崎は行方不明の佐伯の調査に乗り出していく。事件は過去の東京都知事狙撃事件と深く関わってい
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西村京太郎54「北帰行殺人事件」を読む

1981年、書き下ろしトラベルミステリ第5弾としてカッパ・ノベルズから刊行された作品。特徴はその後続くシリーズの中での名脇役、橋本刑事が初登場ということ。また、トラベルライター青木亜木子の初登場作でもある。あらすじ十津川警部の部下、橋本刑事が突然辞意を申し出た。田舎の母の体調が悪く、実家の旅館を継ぎたいとのこと。刑事としての資質を評価していた十津川だが、言い出したら聞かない橋本の性格を理解している
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西村京太郎63「日本一周『旅号』殺人事件」を読む

初版は1982年。まだ国鉄の時代。1983年にザ・サスペンスで2003年にテレ東でドラマ化。本当に日本一周する切符があったらしい。今売り出されたら買うかもしれんなあ、オレ。あらすじ10日間で日本一周する夢の特別列車「旅号」。十津川警部の部下、日下刑事は親孝行と思って両親にチケットをプレゼントする。ところが、両親が乗り合わせた6号車の乗客ばかりが次々と変死を遂げていく。事故か他殺か分からない中、両親
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西村京太郎18「鬼女面殺人事件」を読む

1973年に刊行された長編伝奇ミステリ。まだトラベルミステリー書くより5年ほど前。映像化はまだなし。以前読んだ「幻奇島」や「南神威島」に連なる作品。あらすじ新幹線の車中で男が死亡。ポケットからはアカベと呼ばれる真っ赤な花と湯山仁三郎という弁護士の名刺が。アカベはかつて流人の島だった愛知県の孤島・恩根島のみに咲くという。偶然となりに座っていた弁護士の中原正弘は男が言い残した「早くしないと妹も・・・」
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内田康夫短編集「死線上のアリア」を読む

電車に乗っている間はヘビメタを聞きながら読書。昨日今日で内田康夫「死線上のアリア」を読んだ。あらすじと感想内田康夫さんといえば浅見光彦シリーズ。いろんな役者さんが演じているが、やっぱり最初の火曜サスペンス劇場でやった水谷豊が一番じゃないかなあ。まだ今の相棒みたいな感じでは全然ない時代。刑事貴族の頃かな。好評だったんだけど突如終了。理由は確かエナメル靴を履くのがイメージと違うという話だった気がする。
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岬シリーズ1・笹沢左保「他殺岬」を読む

笹沢左保といえば中村敦夫主演で大ヒットした「木枯し紋次郎」が有名だが、その他にもたくさんの作品を生み出している。江戸川乱歩賞最終選考に残った「招かれざる客」でデビューし、「突然の明日」などムーディな感じの本格ミステリを次々と発表。土曜ワイド劇場で映像化されたタクシードライバー夜明日出夫の生みの親でもある。そういえば昔住宅地図の仕事をやっていた時にどこだったか忘れたが「夜明」って表札見た覚えがある。
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和久峻三「東京インフェルノ」を読む

閉店セールで買い込んだうちの一冊、和久峻三の「東京インフェルノ」を読む。映画「タワーリング・インフェルノ」をすぐさま連想したが、関連性は全くない(当たり前か)。「屈強な主人公が漆黒の御前崎海岸で一人の女性を救出する。全国に膨大な信者を持つ新興宗教の教祖が発した東海・関東大地震の予言は現実になりそうな予感があった。東京サミットを数日後に控える中、気象庁地震観測室のデータに兆候が現れていたのである。緊
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西村寿行「霖雨の時計台」を読む

西村寿行「霖雨の時計台」。1983年の作品。あらすじと感想当時「火曜サスペンス劇場」で田中邦衛主演でテレビドラマ化された。再放送で観て印象に残っていたので覚えている。このブログを書くまでずっと「きりさめの時計台」と思っていた。勘違い。正しくは「りんう」である。ちなみに、霖雨とは何日も降り続く雨、ながあめということである。内容は死刑執行まで5日と迫った男の無実を信じ、単独でそれを証明しようとする刑事
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大藪春彦「餓狼の弾痕」を読む

今日の読書は大藪春彦「餓狼の弾痕」。1994年発刊のかなり後期の作品。あらすじと感想高校時代、「野獣死すべし」「蘇る金狼」「女豹の掟」とか授業中に読んでた。角川文庫のカバーがかっこよかったなあ。1996年に61歳で亡くなった大藪春彦。うちの死んだ親父と同い年か。早逝なのにたくさんの作品がある。自分41だけど今から20年でこんなに作品出せるだろうか。デビュー作「野獣死すべし」以来貫かれている巨大な権
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