西村京太郎51「消えたドライバー」を読む

1981年の単行本。
初期の「消えたドライバー」「死を呼ぶトランク」
「9時30分の殺人」の3本が収録されている。

映像化はたぶんなし。

あらすじ

テレビ番組の抽選でスポーツカーに当たったラッキーな男。
だが応募はがきの住所にその男はいなかった。
ディレクターの一人が謎の男の存在を追うが仲間の一人が殺害される。

同じころ、西伊豆と広島から首のない同一人物と思われる男のバラバラ殺人が発見された。
さらには井之頭公園で若い女性の溺死体。

一見何の脈絡もない3つの殺人事件の裏には意外な真実が隠されていた――という話。
(消えたドライバー)


感想

「消えたドライバー」は昭和43年、
「死を呼ぶトランク」は昭和40年、
「9時30分の殺人」は昭和43年の作品。

まず「消えたドライバー」は後々の作風に繋がる要素が満載でありながら初期の独特さも併せ持つ。
一見関係なさそうに見える事件の絡みはその後の作り方の萌芽と思うし
結末の余韻というかやるせなさ感なんかは初期の作品に色濃く出ていたものだ。

「死を呼ぶトランク」は題名からもわかるように鮎川哲也「黒いトランク」への意識があるのだろうか。

今読むとこのネタは犯人がすぐばれてしまう。

「9時30分の殺人」は予告殺人。
予告した日時にどのような形で殺人事件が起こるのか?というとこがポイントでそこの部分はまま面白い。

しかし、肝心の犯人の部分は消化不良が残る。
いずれも今では読めない作品で貴重。

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