大藪春彦「野獣都市」を読む

1964年初出の作品。

1970年には東宝で黒沢年男主演で映画化されてる。

 

あらすじ

銃の修理や自動車セールスで生計を立てている

大学院生・有馬靖浩。

ボクシングで鍛え抜かれた身体は有閑マダムに大受け。

猟友である会社社長・石浜からある依頼をされたことが

有馬の人生を大きく狂わせた。

麻薬組織から大量のヘロインを強奪し

暴力団の縄張りに割り込み危険を冒す。

不正を働く企業家からは大金をかすめ取り

胸に秘めた野望を爆発させる有馬。

疾走する彼の欲望の終着点はどこなのか?–という話。

 

感想

ストイックな主人公、というのが著者に共通する人物である。

他のアクション一辺倒と違う点は

戦後派の有馬と戦中派の石浜を組ませている点。

この世代の違う「野獣」を共犯関係にしていることが

物語に奥深さを与えている。

共犯になってるが共感はない。

そこにあるのはただ野望と欲望だけ。

そして破滅。

石浜が時々有馬の若さを羨むような発言をするが

自分も時々「若いっていいな」と思う瞬間が最近増えた。

と同時に「もうちょいしっかりせんかい」と思うのも事実。

まあ自分達もそうだったのだろうが。

映画はまだ観てないからそのうち観たい。

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