1991年初出の作品。
柳生一族をテーマにした短編集。
「慶安御前試合」(柳生連也斎)、「柳枝の剣」(柳生友矩)、
「ぼうふらの剣」(柳生宗冬)、「柳生の鬼」(柳生十兵衛)、
「跛行の剣」(柳生新次郎)、「逆風の太刀」(柳生五郎右衛門)の
6編を収録。第101回直木賞候補作。
剣に生きた、というより生きざるを得なかった運命を背負った
柳生一族のそれぞれの立場からの作品群。
柳生と言えば千葉真一=柳生十兵衛みたいなイメージ。
あと柳生宗冬を「長七郎江戸日記」で丹波哲郎がやってたような。
その前はテレ朝で「長七郎天下御免!」で味方だったのに
日テレで「江戸日記」になったら敵に変わってるというのが
観てた当時は子どもやからわからんかったな。
で、このうち十兵衛、友矩、宗冬は兄弟である。
長男、次男、三男の関係。
3人から見たら五郎右衛門は親戚のおじさんで、
連也斎は親戚の息子である。
柳生一族は初代宗厳の後、江戸柳生と尾張柳生に分派する。
面白いのは普通嫡男家系が江戸柳生と思いがちだが
江戸柳生の初代総帥は宗厳の五男宗矩なのだ。
嫡男は新次郎なのだがケガが痛かった。
新次郎の次男が尾張柳生の開祖となる。
現代においても同族企業が骨肉の争いをするように
柳生一族においても将軍家を巻き込んで複雑な人間関係がからみあう。
何百年前でも人間のするこたあそんなに変わらんのよねえ。
時代小説って読むの苦手だったけどこれなら読める。
なにせオモロい。さすが直木賞候補作である。