表題作は記念すべき第1回小説推理新人賞受賞作。
その「感傷の街角」の他に「フィナーレの破片」
「晒された夜(ブリーチド・ナイト)」「サンタクロースが見えない」
「灰色の街」「風が醒めている」「師走、探偵も走る」の計7本が収録。
あらすじと感想
佐久間公シリーズの特に初期は
ハードボイルドというより青春小説の匂いが強い。
なんせ嫌味がない。そして時おりキレのいいセリフ。
ゴリゴリではなく適当な甘さと青さの塊――そんな感じ。
表題作の「感傷の街角」は
早川法律事務所調査二課に所属する
失踪人調査のプロ・佐久間公がボトル1本で仕事を引き受ける話。
その仕事の内容はかつて横浜で遊んでいた元少女を探してほしいというもの。
手がかりは名前と年齢ぐらいしかない。しかも期限は3日間。
11年も経っているのにえらい仕事を引き受けたものだ。
そして、当時の状況を一番知っていると思われた人物は
何者かに撃たれて殺害されてしまう。
てな具合で話が展開していく。
終わりはセンチメンタル感満載なのだが
なんだかそういう言葉で片づけるのは違うというかもったいない。
若いころに読んでたならもっとはまったんだろうなあ。
ある程度歳くってから読んだから
最初は「へえ」って感じだったけど、何回も読んでるうちに気に入ってくる。
そんなスルメのような作品。