1980年発表の短編集。
「祖国よ友よ」「爆弾の街」
「どしゃぶり行路」「北溟の宿」の4編を収録。
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あらすじ「祖国よ友よ」
フランス外人部隊。
ある日、マルセル軍曹を射殺して逃げた男、ナンジョウ。
おれはランジェ少佐からナンジョウ射殺を命じられた。
おれはナンジョウにはコンゴで命を助けられた恩があった。
おれはナンジョウの愛人・ミランダを訪ねたが、
その直後にミランダは犯罪組織に消されてしまう。
おれはナンジョウと対決することになるのだが――という話。
感想
「祖国よ友よ」の背景にあるのは1978年のザイールの姿。
今ではザイールとは言わんけども。
「爆弾の街」はテロが頻発していた時代の北アイルランド。
主人公はモントリオール五輪出場が有力視されていた射撃手。
「どしゃぶり行路」はいきなりハイジャックされた機内からスタート。
こういう意表の付き方はなかなかいいですな。
「北溟の宿」は中部ドイツが舞台。
こうやってその時々の海外情勢を取り入れながら
日本が持つ断面を織り込んでいくという手法は最近は少ないかもね。
なかなかねえ、真似しようと思ってもできるやり方ではないけれど。
いつかは近づけるようになりたいですな。