1987年出版のミステリ。
1988年に土曜ワイド劇場で映像化。
主演は多岐川裕美、他は高橋悦史、加藤治子、赤座美代子など。
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あらすじ
不倫相手の眼科医の子供を妊娠した美紗。
相手の二階堂は妻との離婚を真剣に考えていた。
二階堂の妻は資産家の娘で、
死別した前の夫との間にできた一人息子の
東大進学だけを生きがいにしているような女だった。
金の亡者のような母親と折り合いが悪く、
やっと幸せを手に入れられると思った美紗だったが、
二階堂が妻と息子殺しで逮捕されてしまい、愕然とする。
二階堂の無実を信じる美紗だったが、
遺産がらみの事件は意外な方向に――という話。
感想
簡単そうに見えて一筋縄ではいかない展開が魅力。
そのあたりのストーリーテラーぶりはさすがの一言。
反面、キャラがイマイチ弱い登場人物もいる。
特に二階堂なんてのは無実を信じるほどの
人物かねえという感じ。
ドラマを見てないから何とも言えないが
息子と付き合っていた女子高生のキャラとか
美紗の母親のキャラとかはいいけどねえ。
単に愛する人の無実を証明しようとしました、
みたいな話になっていなきゃいいけど。
警察が美紗に協力的すぎるのも弱いかな。
ま、しかし世の中で起きる殺人の半分は
家族や親せきなどの血縁関係が多いという。
はたまた、いろんなとこの取材の話聞いてても
遺産相続で骨肉の争いとなりそれまでの関係が
ズタズタに、なんて話も珍しくはない。
だいたい800万~1000万ぐらいが一番揉めるらしい。
血の絆って何かねえ。