2017年出版の第15回このミス大賞受賞作。
2018年に唐沢寿明主演でTBSでテレビドラマ化。
がん消滅というインパクト大の原作は大ヒットした。
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あらすじ
日本がんセンターに勤務する医師・夏目。
ある日、友人の森川から相談を受ける。
生命保険会社に勤務する森川は、夏目が診療に携わった
がん患者たちが余命半年の宣告を受けたにもかかわらず、
生前給付金を受け取った後にいずれも生存しているという。
それどころか、がんそのものが綺麗に消え失せたというのだ。
連続する奇妙ながん消失事件。
夏目は友人でがん研究者の羽島とともにこの謎に挑んでいく。
背後には夏目の学生時代の恩師の姿があった――という話。
感想
「がん消滅の罠」という強烈なインパクトあるタイトルが目を引く。
医療の現場に取材に行くことの多い自分にとっても
いろいろ勉強させられる医療本格ミステリーと言える。
正直小説としては読みにくさはある。それを差し引いても面白い。
このミス大賞の系譜でいえば「禁断のパンダ」タイプかな。
構成とかに難があってもその分野のうんちくに圧倒される感じ。
そのあたりドラマではどういう風に消化したのかは
観てないから何とも評価のしようがない。
選評を読むと第13回に一度応募したものを
大幅改稿して応募したものらしい。
基本、応募原稿の使いまわしはするなというのが
最近の新人賞の暗黙のルールなのだが、
よっぽど原型を上回る出来だったんでしょうな。
そういや「禁断のパンダ」も乱歩賞かなんかの
落選作だったというのを何かで読んだような。
(記憶がかなりあいまいだけど)
ま、そういうこともありますわな。
オール新作で全コンクール出せれたらねえ、世話ないのよ。