西村京太郎74・傑作「札幌着23時25分」を読む

1983年出版の作品。
いまだに映像化がない幻の名作。

あらすじ

法の網を潜り抜けてきた暴力団川田組。
そのトップである川田組長を有罪に追い込む
重要な証人を警察捜査陣はやっと手に入れることができた。

ところが東京から札幌地裁まで証人を連れて
行かなければならないのに航空ストが発生。
タイムリミットは深夜零時。
それを超えると川田組長を釈放せざるを得ず、
国外逃亡を許してしまうことに。

証人を連れて東京を出発した十津川警部と
それを阻止せんとする川田組弁護士佐伯の知恵比べ。

チャーター機、列車、新幹線、車、船と
互いにあらゆる交通機関に人員を配置し
狙う側と守る側の死力を尽くした戦いが始まる――という話。


感想

個人的にはベスト5に入る出来栄え。
何よりかによりそれぞれの人物像が素晴らしい。
敵も味方もそれぞれの人生を抱えている。
タイムリミット・サスペンスであり、
ロードムービーでもあり何でこれを映像化しないのか。

佐伯が語る戦争観もなかなかの含蓄のある言葉。
戦争はこりごりだと語る人間が酒に酔うと、
どんなに戦争が楽しかったかをとくとくと話す。

いるいる、そういう人。

昔は入院中に病室の人にそういう内容語る人いましたわな。

実際に目撃したしね、オレ。
病院で働いていたから。

ラストも切れ味あるし。
ハリウッドで映画化してほしいですなあ。
こういうの書きたい。

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