1983年出版の作品。
いまだに映像化がない幻の名作。
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あらすじ
法の網を潜り抜けてきた暴力団川田組。
そのトップである川田組長を有罪に追い込む
重要な証人を警察捜査陣はやっと手に入れることができた。
ところが東京から札幌地裁まで証人を連れて
行かなければならないのに航空ストが発生。
タイムリミットは深夜零時。
それを超えると川田組長を釈放せざるを得ず、
国外逃亡を許してしまうことに。
証人を連れて東京を出発した十津川警部と
それを阻止せんとする川田組弁護士佐伯の知恵比べ。
チャーター機、列車、新幹線、車、船と
互いにあらゆる交通機関に人員を配置し
狙う側と守る側の死力を尽くした戦いが始まる――という話。
感想
個人的にはベスト5に入る出来栄え。
何よりかによりそれぞれの人物像が素晴らしい。
敵も味方もそれぞれの人生を抱えている。
タイムリミット・サスペンスであり、
ロードムービーでもあり何でこれを映像化しないのか。
佐伯が語る戦争観もなかなかの含蓄のある言葉。
戦争はこりごりだと語る人間が酒に酔うと、
どんなに戦争が楽しかったかをとくとくと話す。
いるいる、そういう人。
昔は入院中に病室の人にそういう内容語る人いましたわな。
実際に目撃したしね、オレ。
病院で働いていたから。
ラストも切れ味あるし。
ハリウッドで映画化してほしいですなあ。
こういうの書きたい。