1974年の東映映画。
監督は中島貞夫、主演は小林旭と渡瀬恒彦。
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あらすじと感想
当時コミックで売れていた漫画が原作。
しかし原作と映画は全然違う。
あまりにも違うので問題になったらしい。
ところがいい出来なんだ、これが。
クラシックファンのやくざ幹部である小林旭とその弟役の渡瀬恒彦。
この2人の話がメイン。
弟が自分もヤクザになるというのを兄は止めるが弟も結局ヤクザに。
性悪の父親を持った腹違いの兄弟は
故郷からも後ろ指を指される存在なのだがこのあたりの情の絡み合いがグッとくる。
結局、2人は別々の組織に属し抗争をするわけだが
親組織の手打ちで大組織は安泰に。
ま、それで話が終わるわけがなく
ピュアな弟は手打ちの場に乗り込みぶちかます。
当然二人は生まれ故郷で対決する羽目に。
勝手知ったる路地を移動しながら
親の代から自分達を厄介者扱いしてきた
街の住人達に蔑まれながら殺し合うしかない
兄弟のシーンは物悲しくもあり透明感がある。
この町で生まれた悲しさがにじみ出ていて素晴らしい場面である。
人間は永久に故郷から離れられないものなのだろうか。
力尽きた弟は自分の父親と同じ場所で惨めに死に、
兄は故郷から少しでも遠くに行きたいと願い車を走らせる。
しかし脇腹からは血が滴り落ち峠を越えることはなかった。
凄い傑作だと思うのだがそれほど知られてないんだよねえ。
これは絶対おススメだと思うんだけど。