1975年11月公開。監督は黒木和雄、脚本は中島丈博さん。
シナリオを勉強し始めたころ中島さんのシナリオをよく読んだ。
うまかったなあ。
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あらすじと感想
高知の地方都市の信用金庫に勤めている楯男(江藤潤)。
父親(ハナ肇)と別居する母親(馬渕晴子)にものすごく可愛がられている。
共産党のオルグに夢中な涼子(竹下景子)に片思い。
そんな楯男はこんな田舎から脱出して東京に出て脚本家になりたい。
挨拶代わりにキンタマを握ってくる暴れん坊のトシちゃん(原田芳雄)。
トシちゃんは服役中の兄の代わりに兄嫁(杉本美樹)と寝るお方。
ポン中で頭イカれて大阪から帰ってきたトシちゃんの妹タマミ(桂木梨江)。
みんなのセックスのはけ口になってしまう。
土着性の話全開。
涼子に片思い中の楯男もタマミにのっかろうと思うが
なんと祖父の茂義(浜村純)に先にヤラレテしまう。
祖父→親父→本人とよくもまあ。
しかも茂義、タマミが妊娠すると「ワシの子だ」と主張。
タマミと一緒に暮らし始める。
色ボケもここまでくるとある意味立派だ。
しかし、タマミは子どもを産むと正気に戻ってしまう。
哀れ、捨てられた茂義、首をつる。自業自得。
楯男はオルグに捨てられたバカ女涼子に迫られ
こともあろうに勤め先の宿直室でコトに励むが火事を起こす。
アホだ。
楯男はもうなんもかも捨てて東京に出る決意をする。
人の祭り眺めててもしゃあない、今度は自分で祭り始めたるんじゃ。
今更ながら「祭りの準備」っていいタイトルだよなあ。
そんな時強盗殺人が起こる。犯人はなんとトシちゃん。
誰にも告げず東京へ向かう朝、楯男は偶然駅でトシちゃんと会う。
トシちゃんは逃亡中なのにホームの端で
大声でバンザイを繰り返し楯男を見送ってくれる。いい人だ。
このラストはいつ見てもいいシーンだ。
最初観た時はそれほどとは思わなかったけど今観た方が心に来るなあ。
あと原田芳雄さんが圧倒的で主演の江藤潤がかすんでるのは
いつ観ても一緒。地方を舞台にするならこういう作品が作りたい。