デアゴスティーニから発売の全話シリーズ第31弾。
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ゲストは峰岸徹、鶴間エリ、小野川公三郎、稲葉義男などおなじみさん。
あらすじ
帰り道にひったくりにあったホステス・敏江(鶴間エリ)を見た草野刑事。
被害届を書いてもらおうと交番に出向いたが、
落ち着かない様子の敏江に不審を抱く。
交番に貼られていた指名手配書を気にする敏江。
それは2カ月前に松永警部補(峰岸徹)を撃ち、
殺人未遂で全国指名手配中の川村辰夫(小野川公三郎)のものだった。
敏江と川村の関係に気づいた草野らGメンだったが、
事件の真相を追ううちに意外な真実にぶち当たることに――という話。
感想
冒頭から炸裂する千葉の海の風景が印象的。
勝浦ロケなんだよねえ。
このロケ中に岡本富士太さんと鶴間エリさんの間に恋が芽生えたのは有名な話。
二人の絡みなんてほとんどドラマ上はないのだが。
さらに救いのない話と後味の悪さはピカ一だったりする。
一度でいいからあんなきれいなセーター着てみたいって感覚は
今の人にもあるんやろうか。
それぐらい、いろんなものが貴重だったし長持ちしたような。
あんまり頻繁に買い替えるなんてこと無かった気がする。
悪徳刑事の峰岸さんにも理由がちゃんとあるのがいいですな。
人間の業というかね。独特のムードに包まれた作品。
ゲストは江夏夕子、大出俊、梅津栄、鮎川浩、東晃声など。
あらすじ
東南アジアの密輸拳銃ルートを追っていた
警視庁の紺野警部補(大出俊)が自宅で射殺された。
室内に残されていた拳銃から
若い女性・戸川ミキ(江夏夕子)の指紋が出て逮捕される。
警視庁時代に紺野の部下だった響刑事は、ミキの取調べを申し出る。
誰に聞いてもしたたかな性悪女のミキが、紺野を射殺した動機とは――という話。
感想
例えるなら北原ミレイの「ざんげの値打ちもない」みたいな女性のミキ。
江夏夕子さんは目黒祐樹さんの奥さんですな。
結構時代劇に出てたイメージが強いけどね。
この後もGメンにちょくちょく登場することに。
見せ方が上手いっちゃ上手いんだけど、
ラスト以外は結構わかっちゃうかなあ。
冒頭の声でピンとくるところもあるし。
だいたい、梅津栄さんがディスコのマスターってのが(笑)
この上なく胡散臭いだろ。ラストのひと捻りかげんと余韻は素晴らしいけどね。
五連発の旦那はこういうの似合いますな。
こういうキャラをもうちょっと悪色強くすると、
西沢利明さんとか、荻島真一さんとかになるかな。
層の厚さを感じますな。
ゲストは夏八木勲、鈴木瑞穂、榊ひろみ、下塚誠、平泉征など。
あらすじ
Gメンに持ち込まれた警視総監宛ての一通のハガキ。
そこには幼児誘拐に絡む内容が書かれていた。
犯人が身代金を要求した脅迫状は親元に届いていないという話で、
いたずらとも思えず、ボス黒木は草野刑事らに捜査を命じる。
そんなある日、草野は警察学校で同期だった
榊刑事(夏八木勲)の妹・妙子が自殺したことを知る。
大学の合格通知が送られてこなかったことを悲観しての自殺と見られたが、
同級生の証言から不合格は有り得ない模様。
草野と榊が調査した結果、合格通知は発送されていた。
なぜ、合格通知は届かなかったのか。そこにまつわる真相は――という話。
感想
ディスイズGメン75と言っていい作品。
個人的には第13話「バスストップ」、
第47話「終バスの女子高校生殺人事件」と並んで好き。
なんちゅうても設定が素晴らしい。
冒頭から郵便に関するナレーションで「芥川節」が炸裂。
エピソードの積み重ね方が、これまた素晴らしい。
いかに見えないところで人と人は繋がっているかがよくわかる。
合格通知って、どうやってきたかねえ。
書留で来たかなあ、覚えてない。
母親の病気治療代欲しさに書留代ちょろまかした事務員に怒りを抑え、
郵便から金を抜き取ることに快感を覚えたサラリーマンをどつきまわしながら、
誘拐された子供を救うために、何とか男から情報を引き出そうとする夏八木さん。
この上なくカッコいい。THE男の美学。
さらにそれだけにとどまらず、厳格な河合さんと草野刑事との間に入り、
自らの職務と引き換えに法律を破る。まあとにかくカッコいい。
不幸が連鎖しまくる展開の中で、夏八木さんが際立つこと。
平泉さんの「不幸の手紙のくそたわけ」ってのもインパクト大。
流行ってましたな、あの頃。
あんなわけのわからんもんに振り回されるという点では、
現代もそう変わらんというか、人間って進歩しないなあなんて思う。
緻密な積み重ねの抜群さ。結構切ってるんだろうけど。
不幸にも妹を失い、己の職も捨てることをわかっていながら、
刑事としての仕事を全うする夏八木さんの榊刑事の姿が最高。
暑苦しさでは引けを取らない草野刑事がかすむぐらい。
最後の拳銃撃つところもカッコいい。
昔初めて観た時は、もっとインパクトあった。
これと映画「白昼の死角」がいいやね、夏八木さんは。
局長役の河合さん、監察官の鈴木瑞穂さん、
抜き取り魔の下塚誠さん、くそたわけの平泉さんと
適材適所というか、配役も絶妙ですな。
法と正義の矛盾を鋭く切り取っているという点では一番じゃないかなあ。