深作欣二28・東映映画「仁義なき戦い」を久々に観る

1973年公開の東映映画。
仁義なき戦いシリーズ第1弾。
実録映画の嚆矢であり最高峰と評価が高い。
原爆のきのこ雲の写真にメインテーマが流れる
オープニングはインパクト抜群。

あらすじ

戦後間もない昭和22年。
焦土と化した広島県呉市で復員兵の広能(菅原文太)は
流れ者の男を闇市で射殺。

刑務所の中で土居組の若頭・若杉(梅宮辰夫)と兄弟分になる。
やがて出所した広能は保釈金を出してくれた
山守(金子信雄)の盃をもらうことに。

ところが、これがその後に至る運命のいたずらだった。
闇市時代にはみんな仲良くその日を生きてきたが、
時代はあっという間に変わりそれぞれ自分の組を持ち
考え方のずれから内部抗争に。

下の争いをうまく操る山守とそれにくっつく槇原(田中邦衛)。
土居組との抗争もエスカレートし、広能は再び刑務所に。
兄貴分の若杉は密告で警官隊と打ち合い、即死。

サンフランシスコ講和条約の恩赦で広能はシャバに。
山守と坂井(松方弘樹)の対立は深刻化していた。

都合よく坂井を殺せとけしかける山守に愛想をつかす広能。
自分の矜持で坂井を殺しに行くが失敗し別れる。
だが、坂井は別の手のものの仕業で殺されてしまう。

坂井の盛大な争議が開かれ、広能は会場に乗り込んだ――という話。


感想

日本映画史を語るうえで外せないエポックメイキング的名作。
日活は路線転換、大映は倒産と斜陽産業となっていた映画だが、
この作品の大ヒットは映画そのものの価値をあらためて見せつけた。

仁侠映画が下火となり実録路線が定着していくわけだが、
それも長くは続かないだろうということは作り手の側が一番理解していた。

なんといっても秀逸なのは笠原和夫さんの脚本。
これだけ脚本の功績が語られ続けている作品は他に類を見ない。
また、深作欣二監督だったことも大きく、
他の監督だったらこれだけのビッグシリーズにならなかっただろう。

いろんな巡りあわせでできてくるもんなのよね、映画って。

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