天使シリーズ3・三好徹「汚れた天使」を読む

1978年の文庫版。内容は1968年発表の表題作「汚れた天使」を始め「虚ろな天使」「いかさま天使」「罪ある天使」「悲しき天使」「幻の天使」「天使の馬」の計7編。あらすじ(汚れた天使)「私」はある中央紙の横浜支局詰の新聞記者。上司と折り合いが悪いせいか、能力はかわれど出世できず。ある日、同僚の若い記者が娼婦に入れあげているというので支局長から頼まれ話を聞きに来た。プライベートにとやかく言うのは好きで
>>続きを読む

西村京太郎55「恐怖の金曜日」を読む

1982年初出の長編小説。映像化はまだなし。トラベルミステリーオンパレードの最中に書かれたそれ以外の貴重な作品と言えるかも。あらすじ金曜日の深夜に発生する連続暴行殺人事件。狙われるのはなぜか日焼けした若い女性。残された体液から犯人の血液型はB型と判明。焦る捜査本部に届く犯人からの殺人予告状。苦労の末、容疑者を確保したものの十津川の心は晴れない。そして新たな殺人が――果たして犯人は誰か?という話。感
>>続きを読む

西村京太郎70「雷鳥九号殺人事件」を読む

1983年初出の短編集。1987年に「雷鳥九号殺人事件」が土曜ワイド劇場で「L特急『雷鳥九号』殺人事件」としてテレビドラマ化。「雷鳥九号殺人事件」「幻の特急を見た」「急行『だいせん』殺人事件」「殺人は食堂車で」「夜行列車『日本海』の謎」の5編。あらすじ(雷鳥九号殺人事件)雷鳥九号の車内で貴金属商が射殺。凶器の拳銃が発見され容疑者らしき女性もすぐに確保。簡単な事件に見えたが金沢で起きた事件がからむこ
>>続きを読む

西村京太郎20「赤い帆船」を久々に読む

1973年初出の作品で、記念すべき十津川警部初登場作。もっともこの頃はまだ警部補なのだが。残念ながら映像化はまだなし。あらすじ深夜に起きた自動車事故。死亡したのはヨットで単独無寄港世界一周に成功したばかりのヒーロー、内田洋一だった。事故死かと思われたが遺体からは毒物反応が。警視庁の十津川警部補が捜査に乗り出すが容疑者と思われた内田の妻、バックアップしてた企業の部長などが次々と殺されていく。最後に残
>>続きを読む

黒武洋「そして粛清の扉を」を久々に読む

第1回ホラーサスペンス大賞受賞作品。このコンクール自体はもうないけど。黒武さんは自分がシナリオを勉強しようかという頃NHK創作テレビドラマで大賞を受賞していたので名前を凄く覚えていた。そしたらなんと第1回ホラーサスペンス大賞を受賞したのでまたびっくり。脚本家らしいエンターテインメント感ばりばりの本作のインパクトは大きかった。あらすじ卒業式を翌日に控えた高校で、突如起こる学校ジャック。犯人は普段目立
>>続きを読む

映画原作・湯本香樹実「岸辺の旅」を読む

2010年初出の小説。深津絵里×浅野忠信×黒沢清で映画化。あらすじ3年間失踪していた夫・優介が突然帰ってきた。しかし本人は海の底で蟹に食われたと語る。この間どうしていたか話してくれと語る優介にとまどいながら瑞希は優介と共に死後の軌跡を遡る旅に出る――という話。 感想何とも不思議な話である。幽霊と会話しているわけだがなぜか不自然さを感じない。ちょっとでも引かれたらたちまち読む気が失せそうなところをう
>>続きを読む

西村京太郎138「祝日に殺人の列車が走る」を読む

1987年初出の作品。映像化はまだなし。トラベルミステリーらしい時刻表トリックあり、容疑者は早くから絞られるもののどちらが犯人か全く読めない展開が魅力。追記2017年に沢口靖子主演の鉄道捜査官シリーズ17としてドラマ化。あらすじラジオ深夜放送のリクエストを使い十津川警部に挑戦状が届く。内容はゴールデンウィークに走る電車内での殺人予告。警戒をするも最終日に特急「有明」の車内で殺人が。被害者は資産家で
>>続きを読む

西村京太郎227「伊豆海岸殺人ルート」を読む

1994年初出の作品。ルートシリーズ10番目の作品になるのかな。この頃になるとトラベルミステリーよりも「殺人ルート」シリーズがどどーんと出ている。1995年に渡瀬恒彦シリーズで映像化、2015年に高橋十津川、高田亀井コンビでテレビドラマ化。あらすじ十津川警部は失踪していた写真家夫婦を見たとの知らせを受ける。その夫婦はOL殺しで無実を叫び拘置所で自殺した男の証人だった。続いて起こる謎の連続殺人。カギ
>>続きを読む

鮎川哲也の名作「黒い白鳥」を久々に読む

1959年7月から12月まで「宝石」に連載され、1960年に初刊行、第13回日本探偵作家クラブ賞受賞作品。安保闘争前夜の騒然とした時代の空気を反映してか労働争議に揺れる会社の社長が殺される展開。おなじみ鬼貫警部の推理が冴える。あらすじ線路沿いで男性の屍体が見つかった。被害者は紡績会社のワンマン社長、死因は銃殺。疑いの目は労働争議でストライキ中の労働組合委員長・副委員長に向けられるが鉄壁のアリバイ。
>>続きを読む

異色のパロディミステリ・西村京太郎30「名探偵に乾杯」を読む

初出は1976年講談社からの書き下ろし作品。江戸川乱歩の明智小五郎、エラリー・クイーンのエラリー・クイーン、ジョルジュ・シムノンのジュール・メグレといった推理小説史に残る名探偵が登場するいわゆるパロディミステリ「名探偵シリーズ」4部作の最終作。映像化はまだなし。できんわなそりゃ。あらすじ「カーテン」におけるポアロの死を受けて明智は孤島の別荘で追悼会をしようと各人に提案。集まるクイーンら名探偵。そこ
>>続きを読む

記事作成・ライティングに関するお問い合わせ・ご相談

コピーライター育成オンラインアカデミー

最近の投稿

テーマ別

ページトップに戻る