西村京太郎167「宗谷本線殺人事件」を読む

1990年初出の作品。

2001年に土曜ワイド劇場で映像化。

あらすじ

ルポライターの田島は、仕事で北海道へ。

宗谷本線の車中で瀕死の男から原稿を託された田島。

中身を読んでみると、2年前に同じ宗谷本線で起きた

ある殺人事件の真相を調べた内容だった。

殺された男は元教師で、殺人犯として刑務所に入っている

教え子の無実を信じて密かに調べていたのだった。

 

ライターの習性として好奇心に駆られた田島は

自分でも調査を始めるが、私立探偵が殺され

田島自身も襲われる。

襲ったのは宗谷本線の車内で出会った

謎のサングラスの女なのだろうか。

田島は十津川警部に協力を求め、

次第に事件の輪郭が浮かび上がるが

背後には強大な力が蠢いていた――という話。


感想

映像化された際には田島は登場しない。

そりゃまあそうだ。

何が何でも十津川か亀井を出さんことには

話が進まない。

2001年には三橋達也はすでにおらず

高橋英樹十津川とキンキン亀井コンビ。

もうこの頃になると月曜日の渡瀬十津川・伊東亀井の方が

人気を博していましたわな。

ドラマではキン亀が北海道に犯人を護送して帰る時、

初老の男にFDをもらうが男は死んでしまうという展開。

フロッピーディスクというところに時代を感じる。

今やるんやったらUSB渡すんかいという話。

 

原作は結構ラストほろ苦さもあるんだけどねえ。

「われわれは会社を逮捕するわけにはいかないよ」

という十津川に食い下がる亀井。

「私だって、不満さ」

と十津川が言ったのを聞いて亀井が少しだけホッとする。

こういう「やるせなさと憤り」が織り交ぜられてるところが

著者の魅力の1つでもあるわけで。

自分も「やるせなさと憤り」の文学を書いていきたいわな。

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