1987年初版のトラベルミステリー。
映像化はまだなし。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
北海道を舞台にした作品を読むと
「あ~また行きたい」とついつい思ってしまう。
特にこの作品の舞台となっている道東は
行ったことがないので尚更だ。
あらすじ
滝川から釧路を経て根室まで行く根室本線。
二両編成のミニ急行「ノサップ1号」で事件は起こった。
突然急停車し車内に銃声が。列車強盗である。
しかし、乗客は少なく3人組の犯人が奪ったのは
わずか50万円足らずの現金だけだった。
なぜこの列車を襲ったのか?
捜査陣が困惑する中、犯人に殴られけがをした
乗客の1人が東京の自宅で焼身自殺。
それをきっかけに十津川警部登場。
その直後、今度は列車に乗り合わせたカメラマンが
職場がある東京ではなくなぜか根室で殺される。
犯人の動機、そして目的は何か?
十津川達は事件の裏に隠された意外な真相に辿りつく――という話。
感想
何度も書いてるけどやっぱり引っ張り方がうまい。
途中からはなんとなく展開が読めるのだが
そういう時でも仕掛けを忘れず、謎の暗号が登場したりする。
ちなみにミニ急行「ノサップ」は今はもう走っていない。
旅がスピードアップ化し、あちこちいけるようになったのは
喜ぶべきことではあるが、風情もどんどん失われている気がする。
よくブルートレインさようならって時だけ
やたら人が集まっているけどだったら
お前ら今まで利用しといてやれよと思う。
遊園地なんかでも同様だ。
人間の命に限りがある様にどんな施設や車両だって寿命がある。
終わる時だけありがたがって
無くなったら風化していくだけなんてのは身勝手な話だ。
まあそれが人類の歴史と言ってしまえば身も蓋もないのだが。