1985年出版の吉敷刑事シリーズ第3弾。
2008年にTBSでテレビドラマ化。
主演はとーぜん鹿賀丈史。通子は余貴美子。
ま、似合うっちゃ似合いそう。観てないけど。
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あらすじ
あと数日で一年が終わろうとしている時、
別れた妻・通子から吉敷刑事に5年ぶりに電話が。
ただ声が聞きたかったの、というだけで電話は切れるが
吉敷は一目会いたいと通子が乗るはずだった青森行き『ゆうづる九号』を見送りに。
確かに乗っている通子の姿を見た吉敷だが、
次の日に通子と思われる若い女性が死体となって列車から見つかる。
居ても立っても居られず、年末年始の休暇を利用して
盛岡から釧路へと足を延ばしていった吉敷にもたらされたのは、
通子が不可思議な殺人事件の有力容疑者にされている報せだった――という話。
感想
吉敷刑事シリーズの中でも人気が高い作品。
けったいな形のマンション、夜鳴石、鎧武者など奇々怪々なムードは相変わらず。
ボロボロになろうが死にかけようがとことん行く道いって、
男の矜持を示す吉敷刑事の真骨頂ともいえる内容となっている。
だけど、個人的にはあんまり好きな作品じゃないんだな。
何でかというと…どんだけ喋んねん、アンタというところがまずある。
恋愛というか想いというか同じ言葉でも
男が言うと理屈っぽくなるが女が言うと情感豊かになる、
というのが書く側の鉄則というかなあ、あるわけなんだけど。
こんだけ喋られると興ざめするというか、
何でアンタこの女好きになったん?という気分になる。
行動だけでなく心情もこれでもかと書いてるから
新鮮味があったという見方もできるっちゃできるわけだが。
もひとつそのあたりがね、他の作品に比べると好きになれない理由かな。
ものを書くってのは奥深いね、やっぱり。