デアゴスティーニから発売の全話シリーズ第25弾。
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ゲストは岩本多代、小松方正、松岡まり子、田中浩など。
あらすじ
駐車中の車に「バカ! 大人のバカ」と落書きする少年・次郎(小塙謙士)。
婦人警官に次郎がとがめられている様子を目撃した響刑事。
度々落書きを繰り返すという次郎から「父ちゃんを返せ」と言われ、
響は苦い記憶がよみがえった。
一年前、響の不注意で盗まれた覆面パトカーで
次郎の父親は轢き逃げに遭い、命を落としていた。
次郎の家族の窮状を見て、
遺留指紋と一致した犯人・船田(辻萬長)を逮捕した響。
だが、喜びもつかの間、今度は母・信子(岩本多代)が轢き逃げに。
犯人が逮捕された報告を夫の墓前に報告に行く途中の事だった。
加害車の持ち主は区会議員・恩田(小松方正)の娘・亜紀(松岡まり子)。
暴走族のメンバーだという亜紀を響刑事たちは追及するが――という話。
感想
交通遺児作文集「天国にいるおとうさま」をベースにした名エピソード。
今日においても輝きを失わない作品で、高久進さんの脚本が光る。
まず、なんつっても内容が濃い。
普通、前半の内容だけで一本分やるもんね。
ちょっとしか出ないけど、親戚役の田中浩さん、
修理工場の河合さん、冷泉さん、そして小松方正さん、それぞれいい味。
福祉課をさりげなく二回出すのもいいやね。見せ方が上手い。
全部の役所がああじゃないけど、実際あるもんね冷たく対応されるってこと。
偉そうに対応された経験者としては、非常に共感できるものがある。
ラストは因果応報というか、結局「人の世で起こることは誰の身にも起こる」ということ。
なので、いつ自分が被害者になるかわからんし、加害者になるかもしれない。
よく「人の命は重い」と言うが、実際問題「人の命は軽い」。
こけただけでも当たり所悪かったら死ぬし、
最近じゃ上から物落ちて来るかもわからんし。
重いから大事にというより、軽いからこそ不当に奪われてはならないってのが、
本当のところなんじゃないかなあと、最近特に思いますな。
昔はそんなこと考えなかったけど。おっさんだ。
しかし、大人のバカって言われてもしょうがないのは、現代も変わらんねえ。
ゲストは中島ゆたか、井原千寿子、鈴木瑞穂、奥村公延、きくち英一など。
あらすじ
一か月前に仮釈放されたばかりの男・赤沢(きくち英一)が
アパートで何者かに殺害された。
犯行直後、タクシーで逃げた人物の存在が浮かび、
小田切警視たちはその女性・綾子(井原千寿子)を訪ねる。
綾子は小田切もよく知る判事・若松(鈴木瑞穂)の娘だった。
現場から綾子の指紋が検出され、容疑は決定的なものに。
綾子を目撃したと証言したのは、バーのマダム・リエ(中島ゆたか)。
娘の無実を信じる若松から法の下に厳正に調べてほしいと言われた小田切は、
リエの証言を検証するうちに意外な事実を掴む――という話。
感想
特捜最前線で判事のスキャンダルを扱った話があったけど、
あれとは似て非なる感じ。あれは実在の事件をヒントにしてたような。
過去の事件で勇気を出して証言したにも関わらず、
それを採用しなくて父親が獄中で病死した娘の判事に対する復讐物語。
まあ綾子がらみの部分はイマイチわからんところもあるけど、
細かいことはいいのだ、なんせ中島ゆたかさんはキレイ。
ザ・東映美人という感じ。そこに響刑事が並べば何の文句があるものか。
ラストのストップモーションも印象的。
ああいうカットっていいよねえ。
「法律を知らない者は、何をされてもいいのか」ってセリフもいいし。
あと響刑事が娘の立場について話したりするけど、
ああいうシーンが特徴的というか、それまでの刑事ドラマにはなかったような。
女性刑事の存在がほぼなかったし、あっても刺身のツマみたいなもんで。
女性の話を女性刑事が語り、事件解決に貢献していくってのは
Gメン75が初めてではないにしろ、インパクトで言えばそうなるのでは。
それもこれも、響刑事&藤田美保子さんじゃなきゃ成立してないと思うねえ。
ゲストは毎度おなじみ中野誠也、山口いづみ、内田朝雄、勝部演之など。
あらすじ
マンションで開かれている賭場を手入れした草野&山田刑事。
その頃、津坂刑事は所轄の刑事・滝口(中野誠也)と
賭場を開いていた暴力団の幹部・鮫島(勝部演之)を尾行していた。
尾行に気づいた鮫島は津坂たちに発砲。
拳銃を抜いた滝口は鮫島を射殺、正当防衛ということになった。
鮫島の死体を引き取りに来たのは組長(内田朝雄)と内妻・千鶴(山口いづみ)。
事件は一件落着かと思いきや、てら銭1500万円が消えていたことから、
意外な方向に発展していく――という話。
感想
正直、これといった特徴はない。
三つ編みで制服姿の山口いづみさんがある意味どインパクトなぐらい。
まあ昔は「アンタ何歳なの?」って高校生はそれなりにいたもんだが。
最近はとんと見ないですな、そんな大人びた高校生は。
相馬さん演じる守衛まで殺すのは無理があるような。
ま、そんな内容でも中野誠也さんが演れば、なぜだか説得力がある。
勝部さんや内田さんもいるし、キャスティングは結構いいのよね。
もうちょいなんか捻りがありゃねえって感じ。