1982年出版の角川文庫。「汚れた油田」「法王の隠し金」「裏切り」の3本を収録。スプロの女殺し屋、エミー初登場作。あらすじと感想「汚れた油田」は初出が野生時代1977年7月号。エミーこと小島恵美子の初登場作。ロンドンに本拠がある国際秘密組織スプロ。エミーはスプロと契約を交わしているエージェントというか執行人。スプロ日本支部のエースであるエミーは、レズでサディスト、パーフェクトボディ。例えるなら峰不
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1997年出版の時代小説。忠臣蔵を新しい視点から描いた作品で、討ち入り後の彼らの処分に頭を悩ます柳沢吉保が主人公。あらすじ幕閣を驚かせた吉良邸への赤穂浪士の討ち入り。主君である浅野内匠頭の仇討ちを果たした彼らは忠臣か、それとも天下泰平の世を乱した罪人なのだろうか。老中・柳沢吉保は五代将軍・綱吉と他の老中との板挟みの中、解決方法を模索していくのだが、その辿り着いた先は――という話。感想めちゃくちゃ面
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1996年出版の本。西武監督を退任後、週刊ベースボールに連載していたものを加筆修正のうえまとめた一冊。主に西武監督時代の9年間の話。1986~1994年なのだが、もし1989年も勝っていたら少なくともリーグ優勝は9連覇。1985年もリーグ優勝はしていたのだから、絶対抜けないと言われた川上巨人の9連覇の記録を塗り替えていたかもしれない。さらに1982・1983年は日本シリーズも優勝しているのだから、
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1984年出版のラブサスペンス。1986年火曜サスペンス劇場でテレビドラマ化。タイトルは「妻の疑惑」で主演は浜木綿子、井川比佐志、宮下順子など。あらすじ倉本雪絵は女ざかりの人妻。大手生命保険会社に勤める夫・洋平、2人の娘とともに幸せな日々。隣の主婦は夫とのセックスに満足できないらしく倉本家の様子を根掘り葉掘り雪絵に聞いてまわる。雪絵は恥じらいながらもそれに答え、それがまた洋平との夜の生活を燃え上が
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1997年出版の水木警部補シリーズ。翌年に火曜サスペンス劇場「取調室9」としてテレビドラマ化。主演はもちろんいかりや長介、ゲストは岡田茉莉子、下川辰平など。著者本人も特別出演していたとは知らんかった。あらすじ三流大学生の小田島美和。男好きで淫乱な彼女は手当たり次第に男と寝る。そのため、長続きした試しはないが同じ大学に通う赤石だけは一年続いた。その赤石に美和は養父母殺しの計画を打ち明ける。美和は病院
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1988年出版の短編集。表題作のほか、「暗い光」「バイバイ・アリバイ」「うぶな娘」「初恋」「阿見の女」「盲点のひと」の計7編を収録。あらすじと感想「暗い光」は週刊小説昭和62年9月4日号。夫の転勤で蛍が見える田舎に引っ越してきた人妻のわたし。暑い夏にうんざりしているが、そんな中同居している甥の啓吾に殺人容疑が――という話。1989年の乱歩賞作家サスペンスで映像化。出演はかたせ梨乃、倉田てつを、寺田
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光文社時代小説文庫木枯し紋次郎第11弾。表題作のほか、「白刃を縛る五日の掟」「雷神が二度吼えた」「賽を二度振る急ぎ旅」「年に一度の手向草」の計5編を収録。連載再開後は数字を必ず入れているのが特色。あらすじと感想「白刃を縛る五日の掟」新テレビシリーズ第14話の原作。とある約束から長脇差を五日間抜かないことを余儀なくされた紋次郎の話。見届け人の吉五郎、旅を共にすることになるお捨てのキャラがいい。ゲスト
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光文社時代小説文庫木枯し紋次郎第10弾。表題作のほか、「旅立ちは三日後に」「桜が隠す嘘二つ」「二度と拝めぬ三日月」の計4編を収録。巻末にはテレビシリーズ主演を務めた中村敦夫の解説がある。「虚空に賭けた賽一つ」は新テレビシリーズ第24話の原作。ゲストは弓恵子、橋本功など。ラストのどんでん返しと哀れさが心を打つ。「旅立ちは三日後に」は新テレビシリーズ第9話の原作。出だしの切り口が最後に回収される構成が
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光文社時代小説文庫木枯し紋次郎第9弾。表題作のほか、「鴉が三羽の身代金」、「四つの峠に日が沈む」「鬼が一匹関わった」の計4編を収録。「鴉が三羽の身代金」は新・テレビシリーズ第10話の原作。脚本が弟の中村勝行、演出は中村敦夫。兄弟でやるのってなかなかないのでは。牢破りをした8人が地元に関わりのある渡世人たち3人を人質に。身代金を出せというのだが、それぞれの縁あるものはみな知らん顔。そうこうするうちに
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光文社時代小説文庫木枯し紋次郎第7弾。表題作のほか、「唄を数えた鳴神峠」「霧雨に二度哭いた」「四度渡った泪橋」の計4編を収録。「唄を数えた鳴神峠」は紋次郎最大のピンチの話。他人の話を信じない紋次郎が狂女の言葉を信じ騙される展開。追っ手は24人。紋次郎はこの危機を乗り越えられるのか――という話。ここで連載はひとまず終わり、次の作品から復活することに。それが表題作の「木枯しは三度吹く」。登場の仕方と殺
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