松本清張「天才画の女」を久々に読む

1978年「週刊新潮」に3月から10月にかけて連載。1980年にNHK「松本清張シリーズ」でテレビドラマ化された。全3回。出演は竹下景子、佐藤慶、芦田伸介、篠ひろ子など。あらすじ画の目利きに自信のある銀行社長・寺村。大家の画家のおまけについていた画に目を止める。その日から邪魔なら燃やしちゃって下さいとまで言われていた一人の若い女性の画に各方面から大注目が。その女性の名は降田良子。銀座の一流画廊・光
>>続きを読む

松本清張「強き蟻」を久々に読む

1971年出版のピカレスクロマン。もともとは文藝春秋で一年余り連載されていたもの。1981年、2006年、2014年とこれまで3回テレビドラマ化されている。あらすじ30歳も離れているのに遺産目当てで年上の会社重役・沢田の妻となった伊佐子。熟れた身体を持て余し、若い男から中年まで様々な男を引き寄せて離さない。ところが、そんな遊び相手の一人が殺人容疑で逮捕。自分との関係がばれては大変といろいろ策をめぐ
>>続きを読む

松本清張「聞かなかった場所」を読む

1975年出版の「黒の図説」シリーズ第7弾。もともとは「週刊朝日」1970年12月から約半年連載。1979年、1997年、2011年と3度テレビドラマ化。あらすじ農林省食糧課係長の浅井。エリートコースとは程遠い下級公務員の彼は、どんだけ頑張っても課長どまりで定年だが、実務は彼なくしては成り立たないくらい頼りにされている。ある日、神戸に出張中の浅井に予期せぬ出来事が。妻の英子が外出中に心臓まひで亡く
>>続きを読む

松本清張プレミアム・ミステリー「象の白い脚」を読む

1973年に全集に収録された長編推理小説。もともとは「象と蟻」のタイトルで1969年から1970年にかけて別冊文藝春秋に連載されたもの。あらすじ時は1969年、ベトナム戦争が泥沼化している時代のラオス。内戦が続き、ベトナム戦争の影響もあり混沌としていた。そのラオスに雑誌の取材と称し、訪れた谷口。彼の目的は取材でラオスに来て謎の死を遂げた友人・石田の死の真相を調べることだった。通訳兼ガイドとして現地
>>続きを読む

松本清張「花実のない森」を読む

1964年出版の作品。もともとは「黄色い杜」のタイトルで1962年~1963年に「婦人画報」に連載されたもの。「果実のない森」ではなく「花実のない森」が正しい。1965年に大映で映画化。若尾文子、江波杏子、船越英二らが出演。2017年にはテレビ東京系でドラマ化。東山紀之、中山美穂のダブル主演が話題を呼んだ。あらすじ貯金をしてやっとこさ車を買った会社員の梅木。ある夜、ドライブの帰りにヒッチハイクの男
>>続きを読む

松本清張ジャンル別作品集4「法廷ミステリ」を読む

2016年出版の法廷ミステリ短編集。「証言の森」「脊梁」「一年半待て」「晩景」「奇妙な被告」の5編を収録。あらすじ「証言の森」はオール讀物1967年8月号発表。戦前の裁判制度をとある事件を通じて描いた作品。妻殺しの嫌疑をかけられた夫が一審では無罪になるものの、二審では有罪になり、大審院で確定してしまう。ラストが意外性と皮肉に富んでいる作品。無実の罪で服役したほうが結果的に生き永らえる可能性のある時
>>続きを読む

松本清張「山峡の章」を久々に読む

1965年出版の作品。もともとは「主婦の友」に連載されていた小説。映画化はないがテレビドラマ化は4回されている。あらすじ女子大を卒業して1年ぐらいが過ぎた頃、昌子は九州への旅に出た。阿蘇などを回り、楽しんでいたところふと知り合った堀沢と吉木の青年二人。昌子は経済官僚の堀沢と結婚することになるが、エリートの彼との生活は少しずつ揺らいでいく。味気ない日々を送る昌子は、自由奔放に日々を楽しむ妹の伶子をう
>>続きを読む

松本清張プレミアム・ミステリー「考える葉」を読む

1960年4月から約1年にわたり「週刊読売」に連載された作品。1962年に鶴田浩二主演で映画化されている。あらすじ田舎暮らしに嫌気がさしている硯つくりの青年・崎津。彼は東京で愚連隊とケンカし留置場にぶち込まれる。そこで知り合った男・井上に仕事を紹介される。しかしそれは、彼にとって最悪の話だった。不可解な事件に巻き込まれ、ついには身に覚えのない外国視察団長殺害の犯人にされてしまう。罠に落ちたことを悟
>>続きを読む

社会派ミステリ・松本清張「蒼ざめた礼服」を読む

1961年正月号から翌年3月末まで「サンデー毎日」に連載された長編ミステリ。後に話題となる日本の黒い霧を描く萌芽的作品。あらすじ就職難で入社した洋傘会社にやりがいを感じない片山。しかし、古本屋でふと手にした雑誌をきっかけに運命が変わる。政財界の裏で活動する柿坂経済研究所に入社。特に仕事も与えられず、呼び出しを受けても意図がわからない始末。だが、独自に探っていた謎と、一見バラバラに見えた仕事が繋がり
>>続きを読む

時代小説の名作・松本清張「紅刷り江戸噂」を読む

1968年に刊行された時代小説短編集。「七草粥」「虎」「突風」「見世物師」「術」「役者絵」の計6本を収録。あらすじと感想「七草粥」は正月のお話。織物問屋の大津屋で七草粥を食べて集団食中毒事件が起きる。大津屋の主人、番頭夫婦が死に残されたのは若い妻。食中毒事件の裏には策略があった――という話。2015年にBSジャパンで映像化。出演は星野真里、布施博、田中幸太朗、川野太郎、西尾まりなど。「虎」は事件を
>>続きを読む

記事作成・ライティングに関するお問い合わせ・ご相談

コピーライター育成オンラインアカデミー

最近の投稿

テーマ別

ページトップに戻る