伝説の冒険小説・谷恒生「喜望峰」を読む

1977年発表の冒険小説。第77回直木賞の候補作にもなった伝説の冒険小説。あらすじアパルトヘイトの南アフリカ、ゲリラ戦が続くモザンビーク。そんな国政情勢の中、巻き込まれる日本の貨物船白雲丸。南アフリカ航路を就航中の白雲丸の中でうごめく謀略の正体は?一等航海士稲村が手引きした密航者の混血美女リン、積荷の木箱の中身、かつての英雄の存在、冷酷無比な南アフリカの男たち――。それぞれの思いを抱えながら船旅は
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濱嘉之のデビュー作「警視庁情報官」を読む

2007年出版のシリーズ第1弾。あらすじ警視庁が秘密裏に組織した「警視庁情報室」。それは情報部門のプロ中のプロの集まりだった。その中でもエース格の情報官・黒田。彼の情報収集力と分析力は超一流。時にはコリアンマフィアとも接しながら政官財プラス世界的な宗教団体までが絡む一大犯罪の疑惑を掴んだ彼は――という話。感想面白い。リアリティはさすがその道の人には勝てない。組織の細かいところは他の追随を許さない感
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西村京太郎260「秋田新幹線『こまち』殺人事件」を読む

1998年出版の作品。1999年と2006年に土曜ワイド劇場で映像化。あらすじ故郷で再出発するため秋田新幹線で旅立つ戸塚由美。彼女には金融詐欺に絡む殺人の共犯容疑がかけられていた。三田村・北条刑事は彼女を尾行する。秋田・角館の実家の旅館で働く由美。そこに現れる別れた夫、銀座のクラブで働いていた時の客。そういった連中が次々と殺されていく。事件の背後には何があるのか。十津川警部の推理は――という話。感
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股旅小説・笹沢左保「無宿人 御子神の丈吉①」を読む

1972年出版の作品。国定忠治を悪役に仕立てるというそれまでの股旅ものの常識を覆した傑作。あらすじ渡世人から足を洗い恋女房のお絹と幸せに暮らしていた御子神の丈吉。一人息子も生まれ、ますます喜びに沸いていた。しかしその幸せは長く続かなかった。穏やかな日々はある日突然打ち砕かれた。国定忠治の舎弟・長五郎らに留守を襲われお絹は散々に弄ばれ赤子と共に惨殺された。指を潰されてまで丈吉が守ろうとしたものが――
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直木賞作家・連城三紀彦「人間動物園」を読む

2002年出版の作品。2009年にWOWOWでドラマ化。あらすじ記録的な大雪に見舞われた埼玉県の某都市。そんな中、汚職疑惑の渦中にある大物政治家の孫娘が誘拐された。前日には犬が誘拐されたとわめいた被害者宅の至る所には盗聴器。身動きがとれない警察になぜか被害者の母親は非協力的。そのうち誘拐はそもそも狂言ではないのかとの疑問も。誘拐事件に先立って起きた動物たちの事件は関係があるのか?二転三転する中、明
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西村京太郎288「夜行列車の女」を読む

1999年出版の作品。TBSでも土曜ワイド劇場でも映像化されている。あらすじ寝台特急の取材に出たカメラマンの木下。隣の個室にいた若い美女・永井みゆきに興味を持つ。翌朝、道後温泉に行くといっていたみゆきが起きてこない。不審に思った木下は彼女の部屋を覗くがそこには死体が。その女性はみゆきとは別人だった。犯人と疑われた木下は証拠不十分で釈放される。東京に戻ってからも警察に付きまとわれたり迷惑千万な状況に
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西村京太郎14「殺意の設計」を読む

1972年出版の作品。主人公は矢部警部補。後に左文字進シリーズで出てくる矢部警部と同一人物かどうかは定かでない。1986年に土曜ワイド劇場で「人妻の背徳日記殺人事件」のタイトルでドラマ化。出演は石立鉄男、佳那晃子、村井国夫、平淑恵、小林昭二、池波志乃など。あらすじ新進画家の田島とその妻・麻里子。2人は幸せな結婚生活を過ごしていたがある日、田島の不倫を暴露した手紙が麻里子のもとに。半信半疑だった麻里
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時代小説の名作・松本清張「紅刷り江戸噂」を読む

1968年に刊行された時代小説短編集。「七草粥」「虎」「突風」「見世物師」「術」「役者絵」の計6本を収録。あらすじと感想「七草粥」は正月のお話。織物問屋の大津屋で七草粥を食べて集団食中毒事件が起きる。大津屋の主人、番頭夫婦が死に残されたのは若い妻。食中毒事件の裏には策略があった――という話。2015年にBSジャパンで映像化。出演は星野真里、布施博、田中幸太朗、川野太郎、西尾まりなど。「虎」は事件を
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アリバイ崩しの傑作・松本清張「時間の習俗」を久々に読む

1962年出版の作品。「点と線」の三原警部補と鳥飼刑事が再び登場。1963、1982、2014年と3回テレビドラマ化。あらすじ交通業界関連誌の編集者が弁天島で何者かに殺害された。彼が宿泊していた宿の女中は、女連れだったと証言。しかし、その女性の足取りはつかめず行方不明となっていた。有力な容疑者が見つからないまま時間だけが過ぎた。三原警部補は大手タクシー会社の専務・峰岡に目をつける。だが、峰岡には殺
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伝説の本格ミステリ・鮎川哲也「リラ荘殺人事件」を久々に読む

1956年から翌年にかけて雑誌連載された本格ミステリ。「りら荘事件」とタイトルが2種類ある珍しい作品。あらすじ埼玉県と長野県の県境にある大学寮「リラ荘」。夏休みも終わりに近づいた8月20日、リラ荘を訪れた日本芸術大学の学生7人。日高鉄子、行武栄一、尼リリス、牧数人、橘秋夫、松平紗絽女、安孫子宏。リラ荘に着いたその夜、橘と紗絽女の婚約発表が。だが、そんな幸せモードもつかの間、翌日、リラ荘そばの崖下で
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