名作刑事ドラマ「Gメン’75」を久々に観る

1975年5月から1982年4月にかけて
TBS系列土曜夜9時から放送。全355回。
滑走路にGメン7人(時には6人)が横並びになって
歩くタイトルバックは、令和の時代になっても記憶に鮮やか。

あらすじと感想

もともとこの土曜9時枠は「キイハンター」に始まり、
「アイフル大作戦」「バーディー大作戦」とアクション重視、
時にはコミカルさも加えた作品が続いていた。

そのあと登場したのがこのハードボイルドGメン75。
視聴率30%超えも記録するなど人気番組となり、
「クイズダービー」「8時だよ! 全員集合」とともに
TBS土曜日の黄金トリオと言われるようになった。

初期メンバーは次の通り。
黒木警視――今頃大霊界で何やってんだろ丹波哲郎。
関谷警部補――この頃はかっこいいぞ原田大二郎。
草野刑事――空手ロケならお任せ倉田保昭。
津坂刑事――このあと大空港へ行く岡本富士太。
響圭子刑事――とにかくきれいだ藤田美保子。
山田刑事――おいでとは言われない藤木悠。
小田切警視――ひげが渋すぎるぞ夏木陽介。

その後、いろいろ入れ替わりで若林豪の立花警部補とか
森マリア、川津祐介、夏木マリ、江波杏子などなど出てくる。

珠玉のエピソード満載なわけだが、
第1話「エアポート捜査線」は関谷警部補主演作。
追跡シーンの下村和夫さんのカメラワークの素晴らしいこと。
ゲストに田中真理が出ていて、関谷警部補のまあ恋人役みたいな。

最後、撃たれて死んじゃうのだが
恋人が撃たれようが犯人追跡する関谷警部補。
これぞハードボイルドなわけで。撃たれるのと花が被るのが東映らしい。

第4話「殺し屋刑事」は若林豪ゲスト作。
家族を殺した国際テロリスト連中に復讐の鬼と化す姿が怖い。
関谷警部補との対立と友情も男のロマンがありますな。

第13話は名作の誉れ高い「バスストップ」
過激派組織「黒い牙」のメンバーを逮捕した小田切警視。
その情報を流したのは潜入捜査官の鷲見だった。
バスで回数券に困り鷲見に助けられた経験を持つ響刑事が
鷲見との連絡役を務めるようになるのだが――。

非の打ちどころがないぐらいのエピソード。
最初に観た時、感動したなあ。
同時に警察の非情さに腹が立ったものだが。
しかし、こういう形で葬られた潜入捜査官っているんだろなあ。

第33話「1月3日関谷警部補・殉職」
何事もなく新年を迎えられると思った大みそかの夜、殺人犯の遊佐が脱獄。
遊佐は黒木警視と協力して自分を刑務所に入れた愛人を狙う。
正月休み返上で遊佐を追うGメンたち。
静けさの中にある団地で銃声が響くとき――。

これ本編よりテレビ探偵団で本人が語ってたのを先に観たような。
最後の殉職シーンはびっくりしたなあ。
正月ってところがまたミソというか。

第47話はこれまた名作と呼ばれる「終バスの女子高校生殺人事件」
終バスの後部座席で殺害された一人の女子高校生。
彼女は響刑事と顔見知りで姉のように慕っていた。
響刑事は事件を追い、ついに真相を突き止め犯人を逮捕するのだが――。

これはもう西島大さんの脚本が秀逸。
最後の最後でひっくり返る。その一言が凄い。
遠藤真理子、加藤嘉、川谷拓三のゲストもいいし。
ラストは撮影終わったら拍手喝采だったという。
今ではあんな群衆いる撮影とかできないのでは。

第93話「29の死神の手紙」も名作。
ある日、Gメン本部に送られてきた警視総監あてのはがき。
幼児誘拐に絡む内容なのだが、脅迫状は親元に届いていない。
捜査にあたった草野刑事は同期の柳刑事の妹の死亡を知る――。

この当時あったねえ不幸の手紙。
何通書かなければどうのこうのってやつ。
「不幸の手紙のくそたわけ!」ってセリフがインパクト大。
ゲストの夏八木勲さんが抜群にかっこいい。
こういう条例いうか条文を使ったドラマ書いてみたいねえ。

このように各エピソードすごくいいわけだが、
何たって初期の社会派ハードボイルド感あふれる作品群がいい。

後半はちょっとマイルドというか人情劇みたいな感もあるし。
結局メンバーチェンジによる失速と、
土曜ワイド劇場に対抗するため「ザ・サスペンス」をスタートさせたので
「Gメン75」は放送を終了することとなった。

その後、時間帯を変えて「Gメン82」や
ごくたまーにスペシャル版をやってはみたがいずれも全盛期には程遠く。

主題歌も最初の「面影」と「追想」は好きだなあ。
全話DVD化してくれんかねえ。

追記

と言ってたらデアゴスティーニから全話出るって。わーい。
とりあえず第1話から第3話を観た。続いて観ていくべ。

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