大藪春彦「復讐の弾道」を読む

1967年発刊の長編アクション小説。服役中に兄を自殺に追いやられた弟がそれを行った人物と企業を徹底的に追い込んでいく話。あらすじ戦争で亡くなった両親の代わりに育ててくれた兄が、自分が刑務所に入っている時に不慮の死を遂げたことを知った羽山。迷惑をかけ続けた兄の復讐を誓い、ありとあらゆる方法で兄の妻、義父、お手伝い、弁護士などを篭絡したり亡き者にしていったりする。ついには会社乗っ取りも企み、成功したか
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松本清張プレミアム・ミステリー「翳った旋舞」を読む

2019年出版のプレミアムミステリーシリーズ。もともとは1963年に『女性セブン』で連載されたもの。映画・テレビドラマは現在のところなし。あらすじR新聞社の資料調査部で働いている三沢順子。大学卒業して1年なので職場では完全に下っ端。貯金が楽しみのハイミスもいれば、酒とギャンブルに溺れ職場にロクにいない次長、出世のことしか考えていない部長もいる。ある日、整理部の木内という男が来て「S・フレッチャー」
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松本清張「混声の森」を読む

1975年刊行の長編小説。もともとは1967年から1年あまり新聞に連載されたもの。1978年にTBSでテレビドラマ化。丹波哲郎、東野英治郎、佐藤慶、いしだあゆみ、市原悦子、永島敏行、佐分利信、かたせ梨乃、浅茅陽子など豪華な出演陣。観たい。あらすじ東京近郊にある私立女子大・若葉学園。広大な敷地と近代校舎を売りに人気がある女子大だが、それを可能にしたのは専務理事の石田謙一だった。石田は本人からはっきり
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ドラマ原作・笹沢左保「白昼の囚人」を読む

1971年出版の長編ミステリ。もともとは週刊現代に連載されていたもの。1985年に火曜サスペンス劇場でテレビドラマ化。出演は田中美佐子、中山仁、西岡徳馬、高橋ひとみ、田島令子など。あらすじ大正重電に勤める30歳、サラリーマンの小木曾。妊娠中の妻・律子と一人息子・洋一のために今日も働いている。ある夜、自分に目をかけてくれている若き重役、岩波のお供で銀座の高級クラブに出かけることに。誰も自分のことなど
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検事霧島三郎シリーズ3・高木彬光「ゼロの蜜月」を読む

1965年刊行の検事霧島三郎シリーズ第3弾。1988年に火曜サスペンス劇場六月の花嫁シリーズでテレビドラマ化。主演は浅野ゆう子。田中健、高松英郎などが出演。あらすじ龍田恭子と無事結婚した霧島三郎。その恭子の親友、尾形悦子が結婚することになったが、新婚初夜に夫・塚本が失踪し、翌朝死体となって発見された。事件を担当することになった三郎。捜査が進むにつれ、大学助教授だった塚本にはいろいろと謎があることが
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伝説のハードアクション・西村寿行「白骨樹林」を読む

1977年初出のハード・サスペンス。極秘裏に開発された細菌兵器を巡って、CIAからKGB、警察から自衛隊を巻き込んで日本各地で暗闘を繰り広げるという相変わらず口あんぐりな展開が魅力。あらすじ北海道の研究所から超極秘の物体を九州の基地まで20日に以内に運ぶよう依頼された元関東軍情報組織の生き残り・叶捨吉(スゲー名前)。ダミーを使いながら北海道を飛び立ったものの、何者かの追撃を受けて焼岳に激突してしま
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土屋隆夫短編集「孤独な殺人者」を読む

1994年出版の光文社文庫版。表題作のほか、「淫らな骨」「加えて、消した」「情事の背景」「淫らな証人」「正当防衛」「ゆがんだ絵」「肌の告白」の計8編を収録。あらすじと感想8作中5作がテレビドラマ化されている。「淫らな骨」刑事の日誌風な感じが興味を引く。主任の突然の死に隠された意外な真実を暴いていくもの。一つの軽犯罪から殺人事件に至る動機の立て方が見事。主任の哀愁とそれを理解する刑事の男の絆が印象的
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西村寿行「濫觴(らんしょう)の宴」を読む

1983年出版のハード・バイオレンス小説。映画化されたらさぞ面白いことだろう。あらすじ府中競馬場の売上金39億5千万円が何者かに奪われた。現金輸送車を高速道路で大型ヘリによって吊り上げるという前代未聞の犯罪。捜査陣は大至急輸送車の行方を探すが、見つかった現金輸送車は張りぼてで犯人はどこかへ消えた。警視庁捜査員の黒沼警部は犯人の行方を追う。犯人は39億5千万を何に使おうとしているのか。やがて黒沼は父
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千草検事シリーズ4・土屋隆夫「盲目の鴉」を久々に読む

1980年出版の千草検事シリーズ第4弾。1986年に土曜ワイド劇場で『青いカラス連続殺人』としてテレビドラマ化。主演は片岡孝夫。林寛子、浅茅陽子、藤岡琢也などが出演。あらすじ『オリンポスの果実』で名を馳せた無頼派作家・田中英光。その全集の解説を依頼された評論家・真木がある日忽然と姿を消した。依頼した編集者の奈穂子は責任を感じてしまう。一方、劇作家志望の水戸が喫茶店で何者かに毒殺される。通りがかった
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日下圭介「『野菊の墓』殺人事件」を読む

1988年初版の長編ミステリ。伊藤左千夫『野菊の墓』に絡んだ仕掛けが面白い。あらすじ東邦新聞社会部に匿名の電話が入った。自殺とみられた水死体が実は殺人だというのだ。社会部記者・瀬沼は他の事件で忙しい中、徐々にその電話に興味を持つ。一方、文芸部勤務のベテラン・牧田も匿名の投書に関心が湧く。伊藤左千夫『野菊の墓』にはある秘密があるというのだ。奇しくも2つの匿名の繋がりには北峰瞳子という謎の人物が。調べ
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