フリーライター Sakamoto Norio ブログ
1996年出版の異色作。珍しく一人称で、昭和初期の浅草を舞台に踊り子連続殺人事件が巻き起こる話。あらすじ時は昭和7年――。着実に戦争の足音が忍び寄っている時代にそこから逃避するように流行したエロ・グロ・ナンセンス。なかでも浅草六区の劇場ではどれだけ刺激的な舞台を提供できるかが小屋の浮沈のカギを握っていた。小屋の一つ、偏奇館で3人の踊り子が次々と殺された。川に浮かび、乳房を切り裂かれ、公園の茂みの中
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1972年公開のさそりシリーズ第2弾。前回から1年後ぐらいの設定で、時間軸は続いている。主演はもちろん梶芽衣子、出演は白石加代子、賀川雪絵など。刑務所は前回に引き続き、渡辺文雄、室田日出男などおなじみ。あらすじ前回の脱獄と事件から1年あまり。ナミ(梶芽衣子)は独房に繋がれボロボロにされていた。法務所の役人(戸浦六宏)が視察に来るというのでナミを表に出した郷田(渡辺文雄)だったが、前回つぶされた右目
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1958年公開の日活映画。原作は松本清張の短編「声」。監督はなんと鈴木清順。主演は二谷英明。あらすじ毎朝新聞で電話の交換手を務める朝子(南田洋子)。記者の石川(二谷英明)に頼まれ、電話をするが人違いだと言われ、電話を切られてしまう。ところが、その電話先の人間が殺される。3年がたち、朝子は小谷(高原駿雄)と結婚。しかし、夫の麻雀が連日続くことに辟易する。メンバーは夫の会社の社長・浜崎(宍戸錠)。自営
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1972年公開の東映映画。映画が斜陽産業になっていく中、久々のスマッシュヒット。あらすじ君が代が流れる中、日頃の成果を表彰されていた刑務所所長の郷田(渡辺文雄)。ところが、脱走者が出たとの情報で式典は台無しに。逃げたのは松島ナミ(梶芽衣子)とユキ(渡辺やよい)。やっとこさ捕まえたものの、郷田の怒りは爆発。受刑者の飯を減らし、ナミとユキは独房へ。ナミには麻薬取締の刑事・杉見(夏八木勲)という恋人がい
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1976年発表の長編小説。最初のタイトルは「娘よ、涯なき地に我を誘え」。1978年に菅原文太主演で映画化。1978・1990・2002年と3度テレビドラマ化。著者の代表作の一つである。あらすじ造船技師・秋津の愛娘・良子が何者かに誘拐された。偶然、殺人現場に良子が居合わせたことが原因だった。妻の順子は錯乱し、とうとう精神病院に入院してしまう。良子の行方を捜すため、秋津は会社を辞め愛犬の「鉄」とともに
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1974年公開の東映映画。仁義なき戦いシリーズ第4弾。あらすじ東京オリンピックが近づく中、市民社会は暴力団への批判を強め、警察は頂上作戦を開始。広能(菅原文太)と打本(加藤武)は明石組幹部・岩井(梅宮辰夫)とともに広島の中立派・岡島(小池朝雄)に協力を依頼。だが、その岡島も山守(金子信雄)の差し金で殺され、広島では若い者の暴走で抗争事件が頻発。警察が暴力団の一斉検挙を行う中、広能たちの運命は――と
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1990年出版の作品。多すぎる容疑者とわからない動機に十津川警部が苛立つ珍しい展開。あらすじ有明海の三角湾で発見された男の死体。被害者は東京在住の画家・太田垣と判明。熊本県警から応援を求められた十津川警部らは太田垣が最後に残した「有明に行く」を手掛かりに捜査。しかし、その間に同じ画家仲間の後藤が殺される。容疑者は画家仲間を含め6人もの人物があがる。しかし、動機は一向に見えてこない。怨恨か、それとも
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1989年出版の沢崎シリーズ第2弾。第102回直木賞に輝いた。あらすじ行方の分からない家族について相談をしたい、という依頼の電話を受けた私立探偵の沢崎。車を走らせ依頼人の邸宅へ向かったものの、そこで沢崎は自分が思いもかけない誘拐事件に巻き込まれていることを知る。どうにかこうにか自分の嫌疑を晴らしたものの、誘拐の身代金を運ぶハメとなる。犯人に振り回されながら身代金を運ぶ沢崎だが、何者かに襲われ身代金
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1974年公開の東映映画。仁義なき戦いシリーズ第5弾。脚本が笠原和夫から高田宏治に交代。不安視されたが興行収入はシリーズトップとなった。あらすじ警察の頂上作戦により、一応終結したかに見えた広島やくざ戦争。武田(小林旭)を中心に各組は大同団結し、政治結社「天政会」を発足させたものの、抗争の火種はくすぶり続けていた。飾り物の初代会長・山守(金子信雄)の後を継いだ二代目会長の武田は、理事長に若い松村(北
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1968年公開の東映映画。この後シリーズ化される温泉芸者シリーズ第1弾。石井輝男監督らしからぬ?艶笑喜劇に仕上がっている。あらすじ舞台はとある北陸の温泉街。大繁盛のあんま芸者の置屋「浜中」。千代(橘ますみ)、富丸(三原葉子)らがお座敷に突入し、自慢の技で男どもを昇天させていく。ところが、温泉芸者たちの方は収まりがつかない。ある日、旅館で鉢合わせし二大勢力は野球拳で試合したり、ふろ場でかち合ったりと
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