名作刑事ドラマ「Gメン’75」第19~21話を久々に観る

デアゴスティーニから発売の全話シリーズ第7弾。

第19話「デカ部屋の悪霊」

ゲストは江原真二郎、渡辺やよい、八名信夫、三角八郎、渡辺隆司など。

あらすじ

大学の模擬試験を受けるため上京してきた
弟・正人(渡辺隆司)との再会を喜ぶ山田刑事。

翌日、正人を会場に送り届け
夜は響刑事の手料理で帰宅を待つ。

ところが、正人は帰ってこず
予備校に出向いてみると偽電話で呼び出された模様。

やがて晴海ふ頭に停められた車の中から
正人の参考書が発見され、Gメン本部に犯人からの電話が。

正人は誘拐され、身代金は二千万円。
姿なき犯人の目的は何か? そして正体とは――という話。


感想

オッサンこと山田刑事主人公の回ともいえるし、
Gメンチームの回とも言える作品。

なんちゅうてもGメン全員の退職金を担保に
さりげなく身代金用意する黒木警視がかっこいい。

冒頭珍しく平和な展開から誘拐事件にいく展開がなかなか。
誘拐から解決まで三日間の話が詰まっている。

誘拐ものというと身代金受け渡しがハイライトになるわけだが、
ロケーションしまくりの映像が楽しめる。

昔の映画館のデカい看板って風情がありましたな。
リバイバル上映の「風と共に去りぬ」と
公開中の「タワーリング・インフェルノ」が並んでいるのが時代を感じる。

その周辺にポルノ映画の立て看板があるのがまたいとをかし(笑)
ポルノ映画だってデカい看板あったからねえ、昔。

あれを日常的に見て育った我々はのどかなのかなんなのか。
まあでも、昔の方が物騒だった気はする。
ていうか、わかりやすかった。今はどこで誰が切りつけてくるかわかりませんからな。

一番かわいそうなのはロクにセリフもなく死んでしまう八名信夫さんなのでは。

第20話「背番号3長島対Gメン」

ものすごいタイトル。監督は深作欣二。
ゲストは中原早苗、川谷拓三、曾根晴美、小林稔侍、成瀬正など東映感満載。

あらすじ

麻薬取引を追う関屋警部補に次々と野球選手の写真が送られてきた。
一枚目はこの年巨人軍監督に就任した長嶋茂雄、
二枚目はすでに引退している400勝投手・金田正一。

謎の女・あけみ(中原早苗)から電話を受けた関屋は、
この写真が犯罪予告であることを知り、極秘捜査を開始。

10月4日、ナイターの試合中に何かが起こることを突き止めるGメン。
死んだ夫の復讐に燃えるあけみとGメンとの戦いが幕を開けた――という話。


感想

これまた初期を代表する傑作。
テンポがいいし、何よりかにより設定が素晴らしい。
写真の犯罪予告は少々こじつけ感がなくもないが(笑)
大洋のユニフォームが懐かしや。名手ボイヤーの映像ってないのよねえ。

あけみを演じたのは監督の奥さん・中原早苗さん。
うまいなあ。もっと評価されてもいいと思うんだけどねえ。
あけみの設定はなかなかよくできてて参考になる。

やっぱりこういう人物造形でドラマの良しあしは決まりますな。
口開けて絶命する川谷拓三さんの夫の設定がこれまた秀逸。

長嶋と同じ誕生日、同い年で
行方をくらましていたのに引退試合を見に来てっていうね。
それであけみが裏切ったと思ったまま死んでいった。

このあたりの動機の描き方がいいですな。
推理ゲーム的要素と人物設定の妙が楽しめる作品。

第21話「ニューヨーク市警黒人刑事」

ゲストは川崎あかね、芹明香、岡崎徹、山本昌平、相馬剛三など。

あらすじ

かつてともにベトナム戦争に行き、横田基地にもいたマイクとシュナイダー。
しかしその後、別々の道を歩み
マイクはニューヨーク市警、シュナイダーは麻薬の売人としてマフィアの一員に。

横浜港に付いた車から大量のヘロインを発見するGメン。
受取人を突き止めようと泳がせるが、マイクに邪魔され逃がしてしまう。

シュナイダーがマイクの子どもを麻薬づけにしたことを知った響刑事は、
マイクを見張りながらも手を貸すが、二人そろって捕らわれの身になってしまう――という話。


感想

この年終結したこともあって
ベトナム戦争絡みの話が結構あるGメン。

兵士の話でいえば映画「帰郷」とか出てくるのは
もうちょい後のことかな。

旬の事件を入れるのは結構難しい。
車のヘロインすり替えるんなら発信機ぐらい付けといたらと思うのだが(笑)

アマゾンは速攻消されるし。変身できんかったのね。
相馬剛三さんは車元通りにするおっちゃんで登場。
山本昌平さん若いなあ。Gメンはこれ1本なんだよねえ。

芹明香さんはちょっとしか出なくても存在感ありますな。
外人が二人とも吹替ってのも斬新。字幕じゃないのね。

シュナイダーはちょっとわからんが、マイクは竜崎勝さんじゃないかな?
クレジットにも出てこんけど、たぶんそうじゃないかなと思う。
早逝されましたが「大忠臣蔵」とか「白昼の死角」とか印象に残る役も多い。
高島彩のおとっつあんですな。

ラストはイマイチ納得がいかんというか。
その行動はちょいと違うんじゃないかねえと思う。
拳銃も持たんとヘロイン持って走る姿がなんか変。
殺されるよりシュナイダーぶち殺して響刑事に逮捕されるって方が余韻が残るような。

死ねばいいってもんじゃないのよね。

記事作成・ライティングに関するお問い合わせ・ご相談

コピーライター育成オンラインアカデミー

最近の投稿

テーマ別

ページトップに戻る