1977年1月15日(成人の日かあ)NHKで放送。
原作は森村誠一の江戸川乱歩賞受賞作。
主演は藤岡弘。まだ特捜最前線は始まってないな。
江原真二郎、松山省二、新藤恵美、久米明などが出演。
あらすじ
警視庁刑事部捜査一課の刑事・平賀(藤岡弘)。
平賀の彼女はパレスホテル社長秘書・冬子(新藤恵美)なのだが、
ある日、パレスホテル社長が何者かに殺害され、
冬子がそれに関係している疑いが持ちあがる。
平賀は冬子の無実を信じるが、捜査が進むにつれ容疑は濃厚に。
そして冬子が失踪し、福岡のホテルで死体となって発見された。
平賀は迷いながらも事件を追っていく。
しかし、捜査線上に浮かんだ橋本(江原真二郎)には鉄壁のアリバイが――という話。
感想
数ある江戸川乱歩賞の中でも伝説となっている第15回受賞作の初ドラマ化作品。
なにせこの時の最終選考がなかなか凄い。
森村誠一『高層の死角』の他に翌年受賞する大谷羊太郎、
永井豪の兄貴で後に脚本や原作などで活躍する永井ばく、
もう一人とそして夏樹静子の『天使が消えていく』の5作で行われた。
で、本作の映像化は1977、1983、2003と3回ある。
1983年版は土曜ワイド劇場だったかな。観たけど細かいところは覚えてない。
藤岡弘さんはこういう役は抜群に似合う。
刑事といえば藤岡弘か林隆三かてなもんだ。
この二人が主人公だと何となく納得しちゃうから不思議なもんで。
無駄なところがあんまりないからテンポよく行くんだけど、
行きすぎかなあと思わんでもない。
著者のホテルマンの経験を活かしたトリックや
意外性のあるアリバイ崩しが魅力なんだけど、
トリックのとこがやけにあっさりいっちゃったり。
尺の問題があるからまあ難しいんだけど。
ベストな尺に合わせて作るってわけにもいかんしね。
そのあたり複数映像化があると見比べられるから面白い。
原作も久々に読んでみよ。