初出は1976年講談社からの書き下ろし作品。江戸川乱歩の明智小五郎、エラリー・クイーンのエラリー・クイーン、ジョルジュ・シムノンのジュール・メグレといった推理小説史に残る名探偵が登場するいわゆるパロディミステリ「名探偵シリーズ」4部作の最終作。映像化はまだなし。できんわなそりゃ。あらすじ「カーテン」におけるポアロの死を受けて明智は孤島の別荘で追悼会をしようと各人に提案。集まるクイーンら名探偵。そこ
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2013年に徳間文庫から出た傑作選。「夜の牙」が2010年に警部補・佐々木丈太郎でドラマ化。あらすじと感想トラベルミステリーで売れっ子になる前の短編がほとんどで荒削りながらも目を惹く作品が多い。掲載順に夜の牙・・・1976・10「小説宝石」密告・・・1976・6「小説現代」私を殺さないで・・・1971・11「推理」アリバイ・・・1966・10「推理ストーリー」死を呼ぶトランク・・・1965・12「
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1988年初版のトラベルミステリー。1989年に土曜ワイド劇場でテレビドラマ化。舞台はかつて新宿から松本まで走っていた急行「アルプス」。トラベルミステリーもいろいろ廃止されたら作りにくかろうと思えば代わりに走るものも出てくるから成り立つんだろうねえたぶん。あらすじ会社社長の一人娘が誘拐され、身代金一億円が要求される。犯人からの父親への電話の指示は新宿発松本行きの急行「アルプス」に乗れとのこと。十津
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1987年初版のトラベルミステリー。映像化はまだなし。北海道を舞台にした作品を読むと「あ~また行きたい」とついつい思ってしまう。特にこの作品の舞台となっている道東は行ったことがないので尚更だ。あらすじ滝川から釧路を経て根室まで行く根室本線。二両編成のミニ急行「ノサップ1号」で事件は起こった。突然急停車し車内に銃声が。列車強盗である。しかし、乗客は少なく3人組の犯人が奪ったのはわずか50万円足らずの
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初出は1985年角川文庫。登場人物の名前が凄い。鉈割瓢(なたわりひさご)と斧割糺(おのわりただす)。とてもじゃないが思いつかないこんな名前。二人とも元寇を蹴散らし倭寇となって暴れまわった松浦水軍の末裔らしいのだが、その血はどこに引き継がれてるのか。女好きでドジなコンビでしかない。刑事だった糺はヤクザの罠にはまり瓢を巻き込んででっちあげのレイプ事件で3年服役してきたばかり。職を失った二人は無人島でさ
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1981年8月、講談社より刊行された著者のデビュー作。あらすじ主人公の渋谷は三浦半島で小さなボート屋を経営。かつては日本有数の登山家として知られた男だ。しかし、海上で不審な船に体当たりをかまされ殺されかかる。それだけでなく従業員を殺され店は丸焼きに。謎めいた男達の南米パタゴニアへの学術探検参加を断った直後の出来事だった。真相を追究する渋谷は依頼人の一人樋口から事件の背後には国際的な陰謀があることを
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1988年4月、早川書房から出版。原尞の記念すべきデビュー作。この時42歳。あらすじと感想レイモンド・チャンドラーの影響が色濃い和製ハードボイルドである。ある日、「渡辺探偵事務所」で働く沢崎の元に謎の依頼者が現れる。海部と名乗るその男は佐伯というルポライターがここに来たかどうかを尋ねる。そのことがきっかけで、沢崎は行方不明の佐伯の調査に乗り出していく。事件は過去の東京都知事狙撃事件と深く関わってい
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1981年、書き下ろしトラベルミステリ第5弾としてカッパ・ノベルズから刊行された作品。特徴はその後続くシリーズの中での名脇役、橋本刑事が初登場ということ。また、トラベルライター青木亜木子の初登場作でもある。あらすじ十津川警部の部下、橋本刑事が突然辞意を申し出た。田舎の母の体調が悪く、実家の旅館を継ぎたいとのこと。刑事としての資質を評価していた十津川だが、言い出したら聞かない橋本の性格を理解している
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初版は1982年。まだ国鉄の時代。1983年にザ・サスペンスで2003年にテレ東でドラマ化。本当に日本一周する切符があったらしい。今売り出されたら買うかもしれんなあ、オレ。あらすじ10日間で日本一周する夢の特別列車「旅号」。十津川警部の部下、日下刑事は親孝行と思って両親にチケットをプレゼントする。ところが、両親が乗り合わせた6号車の乗客ばかりが次々と変死を遂げていく。事故か他殺か分からない中、両親
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1973年に刊行された長編伝奇ミステリ。まだトラベルミステリー書くより5年ほど前。映像化はまだなし。以前読んだ「幻奇島」や「南神威島」に連なる作品。あらすじ新幹線の車中で男が死亡。ポケットからはアカベと呼ばれる真っ赤な花と湯山仁三郎という弁護士の名刺が。アカベはかつて流人の島だった愛知県の孤島・恩根島のみに咲くという。偶然となりに座っていた弁護士の中原正弘は男が言い残した「早くしないと妹も・・・」
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