乃南アサのデビュー作「幸福な朝食」を読む

1988年第1回日本推理サスペンス大賞優秀作受賞作品。同年、火曜サスペンス劇場枠でテレビドラマ化。主演は浅野ゆう子。渡辺典子、五十嵐いづみ、伊原剛志などが出演。あらすじ美貌に恵まれ幼い頃から芸能人を志していた志穂子。ところが高校生の時、たまたま自分にそっくりなアイドル歌手・マリ子がデビューして大人気に。あてが外れたものの自分だってやれると思った志穂子は迷わず東京に。しかし、いくら努力しても先に世に
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山村美紗短編集「殺意のまつり」を読む

1976年発刊の本格ミステリ短編集。表題作のほか、「残酷な旅路」「恐怖の賀状」「五〇パーセントの幸福」「黒枠の写真」「死者の掌」「孤独な証言」の計7編を収録。あらすじと感想「残酷な旅路」年の離れた社長・西園と結婚した若い女性・亜沙子が、夫の倹約ぶりに辟易しているうちに比較的年の近い西園の弟・達也と浮気旅行に。ところが、帰ってきてみるとトランクが間違われていて、それが原因で謎の女性に脅迫されてしまう
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アドベンチャーロマンの名作・西村寿行「癌病船」を読む

1981年刊行の長編小説。あらすじ家族をがんで亡くし、自身もがんで命を落としたリチャード・スコット。そのスコットが遺した財団はWHOの付属機関だった。財団が難病である癌と戦うべく、建造した癌病船・北斗号が世界が注視する中、横浜を出港した。北斗号には800名の患者、個室にはマンツーマンで看護師がついている。医師は300名、最新鋭の医療機器と設備が搭載されていた。白鳥船長、ハリソン院長のタッグで船は進
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歴史小説・松本清張「私説・日本合戦譚」を読む

2008年の文春文庫新装版。もともとはいつなんだろ、70年代ぐらいに出たものなのかな。あらすじと感想取り上げられている合戦は次の通り。「長篠合戦」「姉川の戦」「山崎の戦」「川中島の戦」「巌流の戦」「九州征伐」「島原の役」「関ヶ原の戦」「西南戦争」の9つ。どれもこれもよく知られている話。長篠で言えば、やっぱり武田騎馬隊は総じて鉄砲を軽視してたのね。ま、何の世界でも負けてみないとわからんことはあるが、
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松本清張「湖底の光芒」を読む

1983年刊行の作品。もともとは1963年から翌年にかけて小説現代で連載されたもの。あらすじ亡き夫の遺したレンズ製造会社「中部光学」を経営している加須子。ところが、親会社であるケーアイ光学の倒産を知り、債権者会議に出席するため長野から東京へ。絶望的な気持ちで座っている加須子ら債権者と異なり、ケーアイ光学社長・森崎ら経営陣は巧みに追及をかいくぐる。そこに一人の男が現れ、すべての債権を額面の4分の1で
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乱歩賞作家・斎藤栄「赤富士殺人事件」を読む

1972年出版の短編集。表題作のほか、「梵鐘の犯罪」「三人のミス・ミナト」「夜の炎」「市長の似顔絵」「三つの悪い芽」「猿とマリファナ」の計7編を収録。あらすじ「赤富士殺人事件」は推理作家の私が、画伯に会いに行ったところ、刺殺死体となった画伯を発見。アトリエにあった制作中の大作はずたずたに引き裂かれていた。職業柄、事件に首を突っ込んだ私は画伯夫妻にそれぞれ愛人がいたことを掴む。両者とも鉄壁のアリバイ
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吉敷刑事シリーズ9・島田荘司「幽体離脱殺人事件」を久々に読む

1989年刊行の長編本格ミステリ。吉敷刑事シリーズ第9弾にあたる。2008年にTBSでテレビドラマ化されている。あらすじある夜、吉敷刑事は酒場で一人の男と知り合った。その男、小瀬川杜夫は京都在住のサラリーマン。東京に出張中で、自分の境遇と妻の話をグチグチ聞かされうんざりする吉敷。しかし、三重県警からきた捜査依頼にびっくり。二見浦の夫婦岩で発見された首つり死体の所持品から小瀬川の名刺が出てきたのだ。
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アリバイ崩しの名作・斎藤栄「真夜中の意匠」を読む

1967年初版の長編本格ミステリ。前年に「殺人の棋譜」で乱歩賞を受賞した著者の第2作目にあたる。あらすじ横浜で起きた殺人事件。被害者は未成年で定職を持たない青年、岡弘。弘の父、一夫は肝臓がんで入院しており余命幾ばくも無い。一夫は先祖代々の田畑を守り、農協役員として生きてきた。弘が亡くなったことで、風前の灯状態の一夫が死去すれば莫大な土地が遺され、おりからのニュータウン開発による地価高騰で二束三文の
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第2回鮎川哲也賞受賞作・石川真介「不連続線」を久々に読む

1991年度の第2回鮎川哲也賞受賞作。2002年に女と愛とミステリー枠でテレビドラマ化。主演は東ちづる。宅麻伸、板東英二、石橋蓮司、水野久美などが出演。あらすじ事故で夫を亡くした後、義母・静枝も何者かに殺害された紀子。義母はカバン詰めの死体となって発見されるという衝撃的な事件だった。事件から三カ月が経った頃、紀子は静枝の死の直前の行動を調べ始める。静枝が旅行中に訪れた浜松の眼科医院、福井県秋葉村役
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大藪春彦「復讐の弾道」を読む

1967年発刊の長編アクション小説。服役中に兄を自殺に追いやられた弟がそれを行った人物と企業を徹底的に追い込んでいく話。あらすじ戦争で亡くなった両親の代わりに育ててくれた兄が、自分が刑務所に入っている時に不慮の死を遂げたことを知った羽山。迷惑をかけ続けた兄の復讐を誓い、ありとあらゆる方法で兄の妻、義父、お手伝い、弁護士などを篭絡したり亡き者にしていったりする。ついには会社乗っ取りも企み、成功したか
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