西村京太郎81「都電荒川線殺人事件」を読む

1984年出版の短編集。主人公は「北帰行殺人事件」で登場した青木亜木子。表題作のほか、「十和田南への旅」「四国情死行」「宮崎へのラブレター」「湯煙の中の殺意」「祇園の女」「サロベツ荒野で死んだ女」「白樺心中行」の計8編を収録。あらすじと感想「都電荒川線殺人事件」白昼都電の車内で、盲目のマッサージ師が毒殺される。容疑は薬剤師である彼の妻にかけられる。毒物がカプセルに仕込まれたヒ素であったことから妻の
>>続きを読む

名短編集・西村京太郎43「一千万人誘拐計画」を読む

1979年出版の短編集。表題作のほか、「受験地獄」「第二の標的」「白い殉教者」「天国に近い死体」の計5編を収録。「受験地獄」は社会派風刺ミステリー。結末のどんでん返しもさることながら、アイデアが抜群。1982年火曜サスペンス劇場、2014年ヤングサスペンス企画と2度映像化。1982年は太川陽介や倉田まり子、2014年は三浦春馬、城田優、瀧本美織らが出演。1982年版は火曜サスペンス劇場の中でも人気
>>続きを読む

伝説の時代小説・西村京太郎62「無明剣、走る」を読む

1982年出版の著者唯一無二の時代小説。もともとは「阿州太平記 花と剣」のタイトルで徳島新聞に1975年12月から1976年4月にかけて連載されたもの。1983年にフジテレビで田村正和主演で映像化された。あらすじ時は徳川五代将軍綱吉の頃。幕閣である柳沢吉保と酒井但馬守の権力闘争が続いていた。同じ頃、阿波二十五万石も真っ二つに割れていた。。妖術使いの兵法家・秋山幻斎によって国家老・勝浦主馬は呪殺され
>>続きを読む

西村京太郎315「歪んだ朝」を久々に読む

2001年出版の珠玉の短編集。表題作のほか、「黒の記憶」「蘇える過去」「夜の密戯」「優しい脅迫者」の計5編を収録。表題作「歪んだ朝」は第2回オール読物推理小説新人賞受賞作。山谷を舞台にいたいけな少女の死の謎を刑事が追いかける話。ラストの少女の小学校での作文が切ない。好きな短編。「黒の記憶」は昭和36年「宝石」誌に掲載されたデビュー作。タイトルのつけ方は松本清張を意識したものなのだろうか。後に山村美
>>続きを読む

西村京太郎166「悪女の舞踏会」を読む

1990年刊行の短編集。単行本未収録作品をまとめたもの。1「悪女の舞踏会」は1964年発表の作品。金持ちの後妻に収まっている女。その彼女にいいように弄ばれた2人の男と恋人を奪われた女。ある日、誕生パーティーにその3人が招かれる。それぞれがこのふざけた女を殺したいと思っていたのだが、金持ちの夫が彼女のグラスに入ったシャンペンを飲んで死んでしまう。女に恨みを持った誰かの犯行か、それとも財産目当ての女の
>>続きを読む

西村京太郎376「十津川警部『生命』(上)(下)」を読む

2005年出版の社会派長編。2008年にTBSで十津川警部シリーズ第40弾として映像化。あらすじ札幌で北方大学医学部の名誉教授が研究室で殺害された。その一か月後には東京で男性の撲殺死体が発見される。殺された男が勤務する医療機器販売会社は札幌で殺された教授との贈収賄疑惑が取りざたされた過去が。十津川警部は当時その内部告発をしたと思われる男を追い、離島の診療所を訪ねるが、彼もまた重要な証言をした後殺さ
>>続きを読む

西村京太郎518「十津川警部 怪しい証言」を読む

2013年出版の短編集。「一期一会の証言」「絵の中の殺人」「処刑のメッセージ」「事件の裏側」の計4本を収録。あらすじと感想「一期一会の証言」は2014年にTBSでテレビドラマ化。「小田原城殺人事件~一期一会の証言~」というタイトル。十津川警部シリーズ第52弾の作品の原作。原作は小田原城ではなく彦根城。そこで観光ガイドを務める今泉明子(71)。いつものようにガイドを務めていると、男女5人いたはずなの
>>続きを読む

西村京太郎196「特急『あさま』が運ぶ殺意」を読む

1992年出版の短編集。表題作のほか、「北への列車は殺意を乗せて」「SLに愛された死体」「北への危険な旅」の計4本を収録。「特急『あさま』が運ぶ殺意」は北条刑事が叔母の葬式に向かう際に事件に出くわす。列車内で女性が毒殺され、連れていた子供を託される。ここからまるで現代版天一坊事件のような展開に。背後には当然相続を巡る問題が隠されていた。ま、それなりの展開。子供の預け先は亀井刑事しかありませんわな。
>>続きを読む

西村京太郎105「最果てのブルートレイン」を読む

1986年出版の短編集。表題作の他、「余部橋梁310メートルの死」「愛と死の飯田線」の計3本を収録。「最果てのブルートレイン」は妻の仇討ちを果たし、思い出の地で死のうと稚内に向かった矢代。ところが、隣席の若い女性に助けを求められる。そして、女性は車内で殺された。莫大な遺産を相続したまま――。思い残すことはないと思っていた矢代だったが、次第に事件の行方が気になり、ある行動に出る――という話。矢代のハ
>>続きを読む

西村京太郎139「山手線五・八キロの証言」を読む

1988年出版の短編集。表題作のほか、「裏磐梯殺人ルート」「鎮魂の表示板が走った」の計3本を収録。あらすじと感想「山手線五・八キロの証言」は短編というより中編。旅行雑誌の編集者が何者かに殺害された。彼は恨まれるような人ではないことがわかり、十津川警部たちは彼の取材内容に注目する。彼が企画していた山手線一周の取材で撮影したフィルムが何者かに盗み出されていたのだ。十津川達は乗客の中から目撃者を探すのだ
>>続きを読む

記事作成・ライティングに関するお問い合わせ・ご相談

コピーライター育成オンラインアカデミー

最近の投稿

テーマ別

ページトップに戻る