1973年の東映映画。
佐藤純彌監督にしては珍しいウルトラバイオレンス血ドバドバ映画。
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あらすじ
昭和21年、焼野原と化した銀座。
三国人に仕切られていたこの街をとあることから出会った4人
(安藤昇・梅宮辰夫・葉山良二・室田日出男)が殴り込みをかけるなど暴れまわる。
さらに4人は銀座の最大勢力である愚連隊を殲滅し銀座を制圧する。
その過程で妻殺しでアメリカ兵の顔をはつった男(渡瀬恒彦)を手に入れる。
銀座を制圧できたのもポン中で殺人マシーンと化したこの男のおかげだった。
貧乏な頃はお互い協力し合っていた4人だが
公金横領のネタを聞きつけたことから路線対立が始まり、やがて崩壊の時が――という話。
感想
出だしからとにかくバイオレンス。
復員兵で帰ってきた渡瀬恒彦が妻がパンパンになっているわ
黒人の子供生んでるわに逆上し子供をどぶに放り投げ妻を撲殺する。
この復員兵が裏主人公というか
復員してから最後どんちゃん騒ぎの中
便所で血はいて死ぬまでの映画である。
最後の一言は自分が撲殺した妻に向けてのもの。
戦後すぐを描いた作品って
復員して帰ってみると嫁がパンパンになってるとか
そうしたシーンは割と多いわけだが
現代でもまあ単身赴任から帰ってきたら
浮気してたとか状況こそ違え今も昔も
人間のやるこたあそれほど変わりはせんわいな。
そんな現実をあざ笑うかの如く映画は進む。
タイトルバックは赤字で書かれた登場人物。
それ自体は珍しくないが背景には
戦後の焼け野原に転がる焼死体のオンパレード。
しかも本物である。
死体ばかり目に入って登場人物が頭に入らん。
4人のキャラクターがきちんと分かれており
インテリで金儲けが上手な安藤昇、大物ぶりたいが小心者葉山良二、
お調子者だが頭は切れる梅宮辰夫、腕力だけが人生だ室田日出男。
意外とこういう書きわけは簡単なようで難しい。
ワンパターンになったりはまらんかったり。
安藤昇曰く自分が出演した中で最高のやくざ映画とのことだが
それだけ脚本がよくできてたってことですな。
撃たれても刺されても生き返り
血反吐を吐きながら拳銃をぶっ放すという
十津川警部じゃなかったゾンビ渡瀬、
ボコボコにされたあげく豚に食われる内田さん、
ワンワンスタイルを嬉々としながら語る梅宮シェフなど
名シーン満載(?)のカルト映画。
もっとも渡瀬恒彦のボロボロになりながらも生き返る姿は
生への執着の成せるわざとのことだと何かで読んだような気もするが。
そうは言っても、あそこまで来ると
ゾンビを連想するのは無理ないのではなかろうか。
好きな人はハマり、そうでない人は……知らん。