1988年放送の金田一耕助シリーズ第5弾。
ゲストは有森也実、神山繫、宮下順子、内田朝雄、佐倉しおりなど。
あらすじ
射水に住む矢部杢衛(内田朝雄)という老人から、
事件の調査を依頼された毎度おなじみ金田一耕助(古谷一行)。
射水に向かう汽車の中で出会った
古林(勝部演之)と住民(藤木悠)の話から
杢衛の長男が23年前に対立する玉造家の朋子と
駆け落ちしようとしたあげくに朋子に殺され、
井戸に身を投げた朋子の遺体は見つからず、
自分を蝶に例えて死後に私は復活するという遺書を残していたことを知る。
射水についてみると、
ブラジルの珈琲王の養女になるというマリ(有森也実)の話で持ち切り。
どうやら杢衛はマリの母親・君江(有森也実:二役)が、
息子殺して井戸に身を投げたと見せかけ、逃亡した朋子と考えているらしい。
そしてマリの歓迎パーティーの夜、朋子が失踪。
探しに出た杢衛が息子と同じように胸を木で刺され、
死体となって見つかって連続殺人事件の幕が開いた――という話。
感想
髪が短かろうが長かろうが、
相変わらず一通り死んでくれんと頭が働かない金田一。
「不死蝶」は1977年版と本作の2回しか映像化がない。
あくまで今のところだが。
お前来るなボケと脅迫状が届き、両家の対立、
鍾乳洞で殺人が起こるなどお得意の展開。
過去の事件が現在に結び付いているのも相変わらず。
メンツがなかなか揃ってまして、
胡散臭さ抜群の勝部さんに宮下順子さん。
当然、仲良く殺されてしまう。
駆け落ちリターンズもお約束。
今度は成功で、それまでボーっと立っていた
ウガンダさんがスローな蹴りで撃退してくれる(笑)
佐倉しおりさんは顔を見るたび、
「アリエス~」と柏原芳恵さんの曲しか頭に流れない。
本作を観ると内田朝雄さんや藤木悠さんは
ずいぶん歳をとったな~って印象。
70年代東映映画とか刑事ドラマに比べて。
マリ&君江役は77年版が竹下景子さんで、
本作は有森也実さんが演じている。
まだ『東京ラブストーリー』で
世の女性の非難を一身に集める前の話。
この頃から幸薄そうな役が似合うけど。
女優さんにもいろいろなタイプがあり、
自分と共通する部分がある役の方が演じやすい人もいれば、
自分と真逆のタイプの方が演じやすいという人もいる。
先日亡くなられた山本陽子さんなんかは後者のタイプ。
有森さんもどっちかといえば、後者ではないかなあ。
77年版も本作も金田一は両方古谷さん。
なので、違う雰囲気を持つマリを見比べてみるのも一興では。