名作時代劇映画・市川雷蔵主演「影を斬る」を観る

1963年公開の大映時代劇映画。
主演は市川雷蔵、脚本は黒沢映画で重要な役割を担った小国英雄。
瑳峨三智子、坪内ミキ子、成田純一郎、稲葉義男などが出演。

あらすじ

舞台は伊達藩・青葉城。
上級藩士の井伊直人(市川雷蔵)は役目をさぼって
昼はゴロゴロして夜は酒場で遊びまわっていた。

しかも、主君・伊達忠宗(成田純一郎)を連れてだから始末が悪い。
そんな直人のもとに、城代家老(稲葉義男)の娘で
仙台小町と評判の定(瑳峨三智子)が嫁入りすることに。

婚礼の夜、初めて床を共にしようとしたその時、
定が直人に約束通り剣道の試合を所望し、
ごまかそうとした直人を巴投げで放り出す。

しかたなく勝負した直人だったが、定の薙刀の前にコテンパンに。
直人は御天守奉行であるとともに剣術指南役でもあったが、
道場破りに金を払う代わりにわざと負けてもらうなどしていた。

面目丸つぶれの直人は、江戸へ剣術修行に行くのだが――という話。


感想

めちゃくちゃ面白い。
タイトルバックだけ見りゃハードボイルドの感じだが、
中身は喜劇というか人情劇というかいいところを突いている。

さすが名脚本家はうまい。
稲葉義男の城代家老もさることながら
直人の家を支えてきた左内役の藤原鎌足が素晴らしい。
やっぱりこういう役が大切なんだよなあ。

直人の成長劇と見ればすんなりわかりやすいし、
周囲の人の温かさが心にしみる。

タイトルの「影を斬る」ってのは
最初なんのこっちゃらわからんかったけど、
最後の方でその深い意味がわかる仕組み。

はたまた藩士がずらずら並んで唱和するところを始め
サラリーマンもの映画の要素も満載だったりする。

ここ20年ぐらいの時代劇は「武士の家計簿」を始め
チャンバラ以外に焦点を当てた作品も多かったが、
昔もそういうタイプの作品があったのね。

この時代は変化球って感じだったんだろうけど、
今では変化球がストレートとして扱われてしまう。
それはそれで不幸なのかもしれませんな。

面白かった。こういうのやりたい。

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