1981年土曜ワイド劇場で放送された美女シリーズ第16弾。
原作は江戸川乱歩「地獄の道化師」。
フジの陣内孝則がやってた明智小五郎でもドラマ化。
どちらも結構好きな作品。
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あらすじ
振付師の白井(荻島真一)は気の多い男。
次の主演を資産家の娘・麗子(白都真理)にして恩を売るか、
恩師の次女・愛子(岡田奈々)にして覚えめでたくするかで悩む。
何を悩んどるのだお前は、という話なのだが
こういう男を荻島真一が演ると抜群にハマる。
で、そんなことを考えてたら愛子の姉ちゃん・みや子登場。
演じているのは日活ロマンポルノで一世を風靡した片桐夕子。
何で風靡したのかはいまだに謎だが。
この二人、そもそも許嫁だったのだが
そんなもん親が決めたことやないかい、
俺は勝手にするんじゃボケ、みたいなもんで
白井はみや子に好きな人おるから結婚する気はないとキッパリ。
アタリきついで、おいおいである。
入れ違いに愛子が入ってくるのだがうって変わってにこやかに。
まあねえ、岡田奈々だもの。
負のオーラ満載のみや子はある日送られてきた
小包の中にあったピエロを見てさらに陰々滅滅に。
愛子に「私に何かあったら……」みたいなことまで言い始める。
病院連れてった方がええで、という話だがみや子が失踪。
そして彫刻家・綿貫(蟹江敬三)の彫刻を運んでいた
トラックから偶然にも1つ落ちて運転手が拾いに行ったら
お約束通り赤い血が流れだすんだなこれが。
なんじゃこりゃ!って言わんでもわかるが死体発見。
乳房にほくろがあるという特徴から死体はみや子ではという話に。
この頃になると明智くんも浪越くんも全員集合状態。
一人悲壮感漂う岡田奈々。そりゃそうだ、妹だもの。
取り調べに素直に?応じる蟹江さんの怪演が楽しい。
自分の贋作がばれたと思ってたのに殺人容疑かけられる。
あんな女タイプじゃない!
いなくなってもディスられる哀れな夕子じゃないみや子。
その頃アケミと一緒でしたよへへん、って感じでアリバイ成立。
ひとり悲しむ愛子のもとにいよいよピエロ登場。
世間に絶望したものの気持ちがわかるか、と問い詰める。
自宅静養する愛子を見舞いに白井がやってくる。
愛子がピエロ見た言うとんのに幻覚だよ、って
それが見舞いに来たもんの態度かよという話なのだが。
挙句の果てに僕が好きなのは君だ、なんて言う始末。
みや子の葬儀も終わり、少し元気になる愛子だが
そこに「死」の旗を持ったピエロが送られてくる。
そりゃ怖いで。
白井の相談を受けて明智くんと浪越警部が乗り出すが
愛子はピエロに崖から落とされあえなく最期。
もっとも新聞では失踪と書かれ、
ピエロの謎だの地獄の道化師だの表現されるのだが。
白井は結局麗子を主演に据えるが
その麗子もまたピエロに襲われたりして
事件はどんどん進んでいく――という話。
感想
なんやかんやで完成度のそこそこ高い話。
ヒロインだと思った岡田奈々があっけなく消えるのも意外。
片桐夕子、蟹江敬三のキャラがいい。
犯人の哀しさとかストーリーも嫌いではない。
原作は子供の頃読んだような。
ポプラ社かどっかから出てた子供向けテイストのやつ。
眉間にしわは欠かせない天知茂と
ボケボケワトソン君状態の荒井注の掛け合いもいい。
シリーズの中でもミステリ&ホラー感は上位なのでは。