西村京太郎77「高原鉄道殺人事件」を読む

1984年出版の短編集。表題作のほか、「おおぞら3号殺人事件」「振り子電車殺人事件」「内房線で出会った女」「殺意の『函館本線』」の計5編を収録。表題作の「高原鉄道殺人事件」はアリバイ崩し。鉄道大好き少年の亀井刑事の息子・健一。亀井も旅行に連れてっていろんな鉄道を見せてやりたいが捜査一課の仕事をしていてはそんな時間はなかなかない。姪の由紀に頼んで信州旅行に連れてもらったのだが、その健一から由紀が殺さ
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西村京太郎215「特急ワイドビューひだ殺人事件」を読む

1994年出版のトラベルミステリー。サスペンス感あふれる展開が魅力の作品。あらすじ朝刊の新聞広告をチェックするのが日課の十津川警部。以前に誘拐事件を解決に導いたことがあったからだが、今日も奇妙な新聞広告を目にした。<ヒロシ 1031Dのことで話がついた。すぐ帰れ。 母>その広告掲載の直後、ヒロシという名の青年が相次いで殺害され、しかも部屋まで何者かに荒らされる。違う新聞広告も出る中、鉄道大好き少年
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西村京太郎123「東京地下鉄殺人事件」を読む

1987年出版の十津川警部シリーズ。謎が謎をよび次第に背後が大きくなっていく展開。あらすじ週刊誌で噂になった謎の美女、通称「幻の女」。そんな話題で和んだのもつかの間、謎の連続殺人が起こる。毎週土曜の深夜、終電の走る時刻に地下鉄で起きたのだ。一人目は車内、二人目はホームのベンチで。いずれも青酸死で行方不明になっていた人物だった。しかも事件場にいたのはいずれも話題の「幻の女」。十津川警部たちは幻の女を
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西村京太郎198「スーパーとかち殺人事件」を読む

1992年出版のトラベルミステリ。謎の連続殺人が起こる展開が魅力的。あらすじ六本木のクラブで起きた殺人事件。客同士の1対3のケンカで1人の男が死亡。犯人と思われたのは男2人と女1人。男1人と女1人はすぐに名乗り出るが主犯はもう一人の男だと主張。殺された男は北海道旅行を楽しみにしていたというが肝心の彼女はそんなことは知らされていない様子。しかもその切符は財布に大事にしていたというが、切符は犯人と共に
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西村京太郎81「都電荒川線殺人事件」を読む

1984年出版の短編集。主人公は「北帰行殺人事件」で登場した青木亜木子。表題作のほか、「十和田南への旅」「四国情死行」「宮崎へのラブレター」「湯煙の中の殺意」「祇園の女」「サロベツ荒野で死んだ女」「白樺心中行」の計8編を収録。あらすじと感想「都電荒川線殺人事件」白昼都電の車内で、盲目のマッサージ師が毒殺される。容疑は薬剤師である彼の妻にかけられる。毒物がカプセルに仕込まれたヒ素であったことから妻の
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名短編集・西村京太郎43「一千万人誘拐計画」を読む

1979年出版の短編集。表題作のほか、「受験地獄」「第二の標的」「白い殉教者」「天国に近い死体」の計5編を収録。「受験地獄」は社会派風刺ミステリー。結末のどんでん返しもさることながら、アイデアが抜群。1982年火曜サスペンス劇場、2014年ヤングサスペンス企画と2度映像化。1982年は太川陽介や倉田まり子、2014年は三浦春馬、城田優、瀧本美織らが出演。1982年版は火曜サスペンス劇場の中でも人気
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西村京太郎38「現金強奪計画 ダービーを狙え」を読む

1978年出版の作品。トラベルミステリー爆発前のピカレスクロマン小説。あらすじ途方もない計画を考えた若い男・唐木。東京競馬場で行われる日本ダービーの売上金20憶をそっくり頂こうというのだ。唐木は目を付けた男女6人に声をかけていく。カメラマン、ヘリコプター操縦士、爆弾を作れるかつての活動家。周到な計画に沿って準備を始める七人の男女。だが、裏切り者の存在を示す密告の手紙が出回る。日本ダービー当日になり
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西村京太郎450「十津川警部 修善寺わが愛と死」を読む

2009年出版の十津川警部シリーズ。元部下の橋本もちょっとだけ登場。あらすじ老舗デパートの元副社長秘書が絞殺された。被害者の名前は十文字多恵子。32歳。彼女の豪華マンション暮らしに疑問を抱く十津川警部。友人の田島から彼女が「修善寺わが愛と死」というタイトルの小説をコンクールに応募していたことを知り、読んでみるように田島から渡される。その小説は彼女が鎌倉幕府・源頼朝から三代の興亡になぞらえて元職場の
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伝説の時代小説・西村京太郎62「無明剣、走る」を読む

1982年出版の著者唯一無二の時代小説。もともとは「阿州太平記 花と剣」のタイトルで徳島新聞に1975年12月から1976年4月にかけて連載されたもの。1983年にフジテレビで田村正和主演で映像化された。あらすじ時は徳川五代将軍綱吉の頃。幕閣である柳沢吉保と酒井但馬守の権力闘争が続いていた。同じ頃、阿波二十五万石も真っ二つに割れていた。。妖術使いの兵法家・秋山幻斎によって国家老・勝浦主馬は呪殺され
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西村京太郎315「歪んだ朝」を久々に読む

2001年出版の珠玉の短編集。表題作のほか、「黒の記憶」「蘇える過去」「夜の密戯」「優しい脅迫者」の計5編を収録。表題作「歪んだ朝」は第2回オール読物推理小説新人賞受賞作。山谷を舞台にいたいけな少女の死の謎を刑事が追いかける話。ラストの少女の小学校での作文が切ない。好きな短編。「黒の記憶」は昭和36年「宝石」誌に掲載されたデビュー作。タイトルのつけ方は松本清張を意識したものなのだろうか。後に山村美
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