1994年初刊の法廷ミステリ。
朝日岳之助シリーズの第6弾にあたる。
1995年に火曜サスペンス劇場でテレビドラマ化。
タイトルは「顔の見えない殺人者」でテレビドラマシリーズも第6弾だった。
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あらすじ
マンションの一室で若妻が絞殺死体で発見された。
被害者はタクシー運転手・速水の妻・咲子。
容疑者は少年3人で、その一人は速水が捕まえてきた。
少年の母親から弁護の依頼を受けた朝日。
朝日はリーダー格の少年・川之江に見覚えがあった。
3年前、裁判所帰りに立ち寄った球場で川之江が投げている姿を見ていたのだ。
その時、座っていた横でスコアを付けていた女性が咲子と気づく朝日。
冤罪と確信して弁護に当たった朝日だが、
怪しいと思われる関係者には鉄壁のアリバイが――という話。
感想
少年事件ゆえの厚い壁に悩まされながらも、
無実を証明しようとする朝日弁護士の姿が印象的。
また、妻をシャブ中の高校生に殺され、
憎しみを込めて捜査する尾崎刑事の姿もよくわかる。
何にしろ、画一的な対応ではどうしようもない分野なことは確か。
タイトルの「走る密室」ってのはいいなあと。
事件の内容にもかかわってくるし。
新米家裁調査官の知子や、
相変わらず司法試験勉強中の達也の活躍も楽しい。
ドラマはどんな風になっているか観てないからわからないけど、
こういう原作は読む価値があると思うなあ。