水木警部補シリーズ・笹沢左保「十九歳の葬式」を読む

1997年出版の水木警部補シリーズ。
翌年に火曜サスペンス劇場「取調室9」としてテレビドラマ化。
主演はもちろんいかりや長介、ゲストは岡田茉莉子、下川辰平など。
著者本人も特別出演していたとは知らんかった。

あらすじ

三流大学生の小田島美和。
男好きで淫乱な彼女は手当たり次第に男と寝る。
そのため、長続きした試しはないが同じ大学に通う赤石だけは一年続いた。

その赤石に美和は養父母殺しの計画を打ち明ける。
美和は病院を経営する小田島伸介・章子の養女になっていた。

美和のアリバイ工作のため、赤石は伊豆まで引っ張り出されるが
肝心の美和が佐賀県で変死体となって発見されたのである。

犯人像も動機もつかめないまま、捜査は難航。
時効まで3カ月を切ろうとした時、
かつて事件を捜査した刑事の執念、
そして「落としのミズさん」こと水木警部補の技量が花開くときがきたーーという話。


感想

なかなか味わいのある一冊。
今まで読んだ水木警部補ものの中では一番かな。

そんな驚天動地のアリバイ崩しとかはないけど
なんちゅうかそれぞれの人間の面白さ、可笑しさ、哀しさがある。

テレビドラマは観てないからわからないが
あらすじを読む限り、美和の設定が違う(内面はさておき表向きは)。

あと、大きな性転換は犯人像。
どっちがいいとは言えんが、人物関係をまとめたかったのかもしれんねえ。

しかし、そうなると肝心の部分も異なってくるのだが…
まあそのあたりは観てのお楽しみというか。

定年間近の片桐、余命いくばくもない平石たちの姿も印象的。
現在は時効が撤廃されたけど、それはよかったのか悪かったのか。
一回詳しく調べた本でも探してみよっと。

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