1978年出版の作品。
トラベルミステリー爆発前のピカレスクロマン小説。
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あらすじ
途方もない計画を考えた若い男・唐木。
東京競馬場で行われる日本ダービーの
売上金20憶をそっくり頂こうというのだ。
唐木は目を付けた男女6人に声をかけていく。
カメラマン、ヘリコプター操縦士、爆弾を作れるかつての活動家。
周到な計画に沿って準備を始める七人の男女。
だが、裏切り者の存在を示す密告の手紙が出回る。
日本ダービー当日になり、計画通り動き出すのだが――。
果たして7人の運命は?――という話。
感想
面白い。ピカレスクロマンと言えばそうだしある意味ファンタジー。
「現金に身体を張れ」とかこういうタイプの映画ありますわな。
著者の作品にしては性描写が多い方で珍しい。
一人一人のキャラクター描写がこの頃はちゃんとしてる。
ずっと変わらない若者への温かい視線。
そして共感と鋭い指摘も変わらない。
何で唐木がそんなに金持ちかはさっぱりわからんが
ま、こういう作品の場合そんなことは書く必要がないかも。
完全犯罪間近で――という部分は賛否両論あるかもしれんが
なるほどなあ、と思わせてもくれる。これはありかも。
ラストは「ルパン三世」を思わせるものがある。
いろんな意味で「若さ」を感じさせてくれる作品。