1960年4月から約1年にわたり
「週刊読売」に連載された作品。
1962年に鶴田浩二主演で映画化されている。
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あらすじ
田舎暮らしに嫌気がさしている硯つくりの青年・崎津。
彼は東京で愚連隊とケンカし留置場にぶち込まれる。
そこで知り合った男・井上に仕事を紹介される。
しかしそれは、彼にとって最悪の話だった。
不可解な事件に巻き込まれ、
ついには身に覚えのない外国視察団長殺害の犯人にされてしまう。
罠に落ちたことを悟った崎津は
無実を証明するために動き出すが井上は殺されてしまう。
背後にある戦時中の隠匿物資を巡る争い。
崎津がようやく掴んだ意外な真相とは――という話。
感想
質量ともにピーク時の作品。
連載を開始したころ、他に連載していたのは
「黒い樹海」「影の地帯」「黄色い風土」
「波の塔」「歪んだ複写」「高校殺人事件」
「黒い福音」「球形の荒野」「わるいやつら」。
さらに連作の「黒い画集」。
そして連載が進むにつれ、「砂の器」などが
同時並行で連載されている。
よくまあこんだけ書けたものだ。
タイトルはパスカルの「考える葦」のもじりなんだろうけど
一人一人の人間なんて葉っぱほどの小さい価値しかないが
積もり積もったら無視できない存在になる――。
そんなことが言いたかったのだろうか。
やっぱりね、書かなきゃ始まらんのよ書かなきゃ。