熊井啓監督・映画「日本の黒い夏―冤罪―」を久々に観る

2000年の日本映画。
監督・脚本は熊井啓。
出演は中井貴一、寺尾聰、細川直美、
この頃は清純派だった遠野凪子。
いまから思えばドラマ「未成年」の感じが一番素だったのかも。

いわゆる「松本サリン事件」をモチーフに映画化。
監督の第1回作品「帝銀事件・死刑囚」を彷彿とさせる内容。
そもそも熊井監督は幼い頃に
被害を受けた河野家の近くに住んでいたそうだ。
冤罪は予断を持った捜査、マスコミによる誘導というか疑惑の拡大、
その情報をうのみにする市民感覚など様々な要素で作られる。
古今東西、多くの冤罪事件があるがその構図自体は変わらない。
世の中、進歩しているようであまりしていないものなのだ。

しいていうなら、この頃と比較しても自ら発信するツールは増えた。
しかしそれは、より攻撃される可能性も秘めている諸刃の剣。
フェイクニュースやそうでなくても字が間違えたままでも平気で流す
ネットニュースの存在はなかなか怖い。
早ければいいというものでもないと思うのだが。

しかしこの時ちゃんと捜査していれば翌年の地下鉄サリン事件も
防げていたかもしれない。
無実の公算が大きくなったのは地下鉄サリン事件後だと記憶している。
それまでは犯人説がほとんどだったのだ。
この世に生きている限り、世の中で起きていることで自分に
降りかからないものは何一つない。冤罪もその一つ。
そういう点でもこの映画は見ておく価値がある。

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