松本清張ドラマ「霧の旗」(2010年版)を久々に観る

2010年に日テレ系で放送。
松本清張生誕100年を記念しての作品。
主演は市川海老蔵&相武紗季。東貴博、戸田菜穂、津川雅彦などが出演。

あらすじ

検察官から弁護士に転身して、
二つの冤罪事件を逆転無罪に導き
人気弁護士となった大塚欽也(市川海老蔵)。

そんな若手バリバリのエリート弁護士のもとへ、
アポなしでいきなり現れた一人の女性がいた。

女性の名は柳田桐子(相武紗季)。
強盗殺人の犯人にされた兄・正夫(カンニング竹山)の
無実を証明してほしいと福岡から事務所を訪ねて来たのだった。

しかし、大塚は多忙を理由に桐子を冷たくあしらう。
それから1年。桐子から兄が獄死したとの手紙が大塚に届き――という話。


感想

本作が映画『眼には眼を』の影響を受けていることは
松本清張本人も認めているところでよく知られている。

本家本元を上回る執念というか、怒りというか、
憤りをぶつけるしかないやるせなさというか、
そのあたりが原作&ドラマの魅力かなあと。

映像化が相当多い人気作品ですわな。
映画が2回で、テレビドラマが9回だっけ。
今までブログに書いたことあるのは、
最初の映画「倍賞千恵子版」と1983年の火サス「大竹しのぶ版」。

さて、本作の特徴はといえば
大塚弁護士を年配から若手エリート弁護士に変更していること、
ラストシーンがオリジナルであること以外はそこまで大きい変化はないかな。

ただ、なんちゅうかな、
ある程度話の内容を知ってる人向けの出方なような印象は受ける。

高校野球の監督訪ねていくとかは、
大塚弁護士を主人公にしていることもあるし
そういうシーンも増えるわねそりゃって感じ。

ひと頃は桐子側から描くのが主だったけど、
仲代達矢さんが大塚弁護士を演った頃から変わってきた。

そりゃいろんなバリエーションも増やさんとあきませんからな。
映像化が多いだけに過去の作品と比べられて
あーだこーだ言われて大変だろうけど、
基本そんなに悪くないと思うんだけどねえ。

やっぱりストレートな復讐劇って難しくなってるし、
桐子や大塚弁護士への感情移入の仕方も変化してるもんね。

径子(戸田菜穂)が釈放されて大塚弁護士といる
ラストシーンは賛否両論あるだろうけど、
ハッピーエンドには見えないからねえ。
原作を尊重したオリジナルの上手さがあると思うなあ。

まあでも、現在なら巡り巡って
桐子のストレートな情念ドラマにする手もアリかも。
桐子が法廷に立つシーン入れてみるとかね。
オレが書くならそうするかなあ。

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